ペンデュラム根木吐露左門 への感想

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評価平均

発想3.1
構成3.3
表現2.9
総合3.1


クビになったのに燃え尽きたとは。
そんなしょうもないこと気にしながら読んでたら「辞めました」とある。
そんなことはどうでもいいですね。
ゆとりがあると蝕を見ることができるなら、この土建屋はゆとってるんですかね。いいなぁ。

3000〜4000字のサイズにぴったり収まる構成がお見事でした。
印象に残るキャラクターとかシーンとかの観点では今一歩及びませんが、「構成の違和感のなさ」「過不足のなさ」では今回随一の作品だと思います。
詰め込みすぎや水増しを作らない(もしくは、水増しを水増しと感じさせない)技術の高さは、もっと評価されてもいいのでは。

この技術にキャラやシーンの力が加われば名作になる予感がします。

> やがてユラユラと雑草を覆うように黒い湯気のようなものがみえた。

指摘は一点のみに留めますが、例えば上の一文は、もっと字数を割いて迫力を出すべきだと思います。
手堅さと相反する要素かもしれませんが、メリハリや外連味が欲しいところです。

蝕という存在が何者なのか? そこが漠然としていてわかりづらい。姿までぼやっとしているからなおさらなんだけど、そこはあまり明確にしたらダメなんでようね、きっと。しかし、その肝心の蝕をぼやかすことで得られる効果の程に対して、作品自体の印象も薄口にしてしまうという副作用が適正なのかそうじゃないかの判断は難しいところと思う。
日頃目にしている街中に突然できた空き地。あれ、ここってもともとなんだったっけ? と思うことは自分もよく経験する。それが蝕の仕業という発想自体はとてもおもしろいと思った。

月極駐車場の謎の一端が解けました。今は土建業は景気が良いので、この先給料アップが見込まれそう。
お話はもう少しドキドキしたかったです。

うぅん、全体的に踏み込みが足りない印象が、
導入から〆までずっと感じられました。
物語的にも設定的にも、
もっとガンガン行っていいのに勿体ない、とも。

ペンデュラムというタイトル、終わりの意味深な文章から、
彼はこのまま路頭に暮れる道を選ぶのかと一瞬浮かび、
それならば、と幾許か思い返して見ましたが、
流れからしてまぁ多分違うでしょうね。
大分辛い星付で申し訳無いですが、今後を期待して。

 全体的な流れがわかりやすいし、都会のど真ん中に突如(実際には突如じゃないんだけど)出現した空き地を見て、ここ何があったっけ……? と首をかしげた経験もあったせいか、すごくおもしろく感じた。
 ……んだけど、でもやっぱりちょっと無茶じゃねえ? と思ってしまった。怪奇現象がお役所の書類まで消してはくれないでしょうから、この土建屋のおっちゃんがやってるのは土地横領ですよ。

 やはりおっちゃんにはスペシャルな背景が必要じゃないでしょうか。そしてそれなら「僕」のこれからも、スペシャルだけど危険はないので薄給な日々を暗示できていいんじゃないかなあ。

 少々立ち入った感想になってしまいましたが、お許しを。

 感想だけ(評価は不記入)ですが書き込みします。
 所ジョージが「月極駐車場」を『ゲッキョク』という名前のフランチャイズな駐車場だと思い込んでいたという逸話を思い出しました。
 読ませていただきましてありがとうございました。

全体的に訴えたいものはわかる。
ただこの作品だけだと単なるあるあるネタになってしまっているので、
小説としてもっと深みを持たせたほうがいいと思う。

>男はそういうと僕に摘んだ雑草を僕に寄越す。
特にこういうミスは痛い。

人間は特別扱いに弱いのです。僕もそう思います。

 ああー、ありますあります、何が建っていたかよく覚えていないけど、空き地になっていてそのうち駐車場になっちゃう一角。これは自然現象とその堤防だったのですね。納得しました。

 何より発想がいいです。日常の「謎」を存分に活かしています、目の付け所が冴えています。それを題材にちょっとした不思議な要素を加えて、小さな都市伝説みたいにしているのがすごくいいです。しかも「いなくなるね」って、対策もサービスって、何気なさすぎます。粋です。ファンタジーなんですが、本当に日常の風景を切り取ったような空気感で書かれていて、実際にあるかのような。

 タイトルが「ペンデュラム」であることはちょっとわかりませんでした。むしろ、クビになって心に空いた穴と、街中にぽっかり出来た空き地を重ね合わせているように読んでいました。「振り子」が重要になるような読み方も出来るのでしょうか。

 空き地は時間貸駐車場にするほうが一般的じゃないかなあ。でもこれには何か理由があるのかもしれない。
1)蝕の発生的にはこんなもん
2)「月極駐車場」という響きにあるある種の郷愁を優先した
3)舞台のモデルにした場所では時間貸駐車場はあまり必要とされていない
4)これあくまでフィクションですしおすし
 4と迷ったけど3にスーパーコバトンくんで。

 急に何もなくなった(ということに気づいた)空間というのは確かに前に何があったのか、容易に思い出せない。たぶん何もないところを実際に見たからこそ思い出せないんだろう、ひとつ欠けることだけで周囲の印象まで大きく変化してしまうから。でも「あそこ何もなくなってたよ、何があったんだっけ?」と人に訊くとあっさり答えが得られたりする。思い出してしまえばああそうだったな、なぜ忘れていたんだろう、と不思議に思う。
 こういった普遍的(とは言えないが少なくともぼくにもあった)経験を料理して「蝕」という中二的想像に置き換えたところが見事だし、おもしろかった。
 ただその経験と想像の接続にもうひとひねりあったらなあという物足りなさもある。曖昧な記述もけっこうあるので、作者の中でもひねりを加えようという思いはあったんじゃないのかな。字数の関係で削ってしまったか、あるいは思いつかなかったのか、それはよくわからない。それでスーパーコバトンくんは先に使っておいたのだ。

普通に読めて普通に終わった普通の話し。すごくホッとした。奇を衒うものがなく、普通に読める話しのなんと素晴らしいことか。
淡々としていて、どこか非日常。どこにでもあるんだけど、ちょっとした分かり易い超自然現象的な非日常が、当たり前としてすり抜ける。長さにもとても合っているようでした。

読みやすい文体で柔らかなタッチ。
蝕がいるから月極駐車場はどんどん増えていく。
限られた人にしか見えない蝕。
ちょっとクランプのさくらに出てくるあの家を思い出しました。

なるほど、月極駐車場が増える訳は蝕のせいだったのですね!
なんとなく不思議で、怖そうで怖くないけど少し怖い味わい深いホラーだと思います。
萌えお姉さんが出てこなくて少し淋しいですが、これはこれでよく纏まっている佳作だと思います。

なるほどなー。
小学生の頃に読んだ星里もちるの「りびんぐげーむ」で税金対策の農地の話に触れる場面がありましたが、更に時は進んで…という感じですね。
自分は車の多い愛知県の田舎に住んでるんですが、この辺の住宅街にある駐車場だと、お前それ何年前から放置してあるんだよ、と思われるようなボロボロの、廃車するにも金かかるから地主が置きっぱなしにしてあるのかなー、みたいな車もよく見かけます。
蝕は次の段階に進もうとしているのかも?

空き地に急増する月極駐車場の謎が明らかに!
読みやすいし書き慣れてるし、難しくないしでお気楽でいい掌編でした。

空き地に大声でずんぐり体型が現れると、ジャイアンのイメージで、冒頭はドラえもんの後日談かと思って読んでしまいました。
個人的好みでいえば、蝕にもっと特殊な能力なりがあれば、もっと蝕の事を知ってみたいという主人公の好奇心に、説得力が生まれたのではないかなあと感じました。

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