謎は謎のままで鳥野 新 への感想

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評価平均

発想3.3
構成3.4
表現3.3
総合3.2


乾電池一本でサメを撃退、というネット上の記事を読みました。
単1で1分間は放電するらしいけど、その短い時間で救出されたのならそれはそれで奇跡ということで。
実際、守ってくれたわけですし。
話変わるけど、タイトルがいいですね。

手堅い文章力が美点。「意味が取りにくい文」は一文もなかったように思います。

内容に関しては色々言いたいことがありますが、他の方のコメントと重複することしか書けないので割愛。

奇しくも掲載順が隣になった『結び目』の中に、

> 「謎っていうのは誰かにその存在を気づいて貰わなければ謎になり得ないんだよ。

との言があり、そうそう、そうなんだよなあと納得してしまった次第です。

この老婦人は恩人の血縁を捜し出して訪ねたのではなく、呼び付けたんですね。それならば、この老婦人に祖父の「誠実で丁寧で敬虔であれ」という訓示は届いていないのかもしれない。招待したといえば聞こえはいいかもしれないけど、恩人と思っているのならまずは自分から赴くのが筋じゃないだろうか。
一方のロボットを作った側の曾孫も、鮫が逃げた理由は俺にはわかるがあんたらには謎なんだろうなーと勝手に思い込んでいる節が見受けられる。
財閥側の人達は素直に加護としか思っていないわけで、サメが逃げて行ったことに対して疑問は抱いていない。そこに謎は存在しないのだから。
財閥当主とブリキのおもちゃとの不思議な縁を主軸としたこの話は物語性も高く、とても面白かった。文章も整っていてとても読みやすかった。でもこのような瑣末な違和感が邪魔をして素直に美談だなとは思えなかったのが残念に思った。

 何か皮肉などんでん返しがあるなら、秘密は明かされたほうがおもしろい。ただの美談としておきたいなら、それを明かすのはいささか不粋な気がする。
 このお話はとてもよくできている。物語の設定・展開・オチ、そして淡々と語る文章の温度(距離感)やリズムもストーリーに合っている。だが老婦人は「私」を呼び出して何をしたかったんだろうか。その腑に落ちなさがそのまま読後感と一致してしまった。

 おもしろさは確かにここにあると確信する一方、それをさぐり当てられない欲求不満が残りました。

ストーリーはとてもわかり易く、主人公が叔父さんに襲われるシーンはハラハラしました。サメの出現も驚きましたが、フロリダ沖なら納得。
けれどわからないのは、この婦人がどうして今になってロボット製作者にお礼をしたいと思ったのかです。書き物には、ぜひ見つけ出してお礼をとも書かれていないし、まあ、婦人の酔狂なのかなとも。お礼を受ける語り手も製作者の曾孫である事しか分からないので、最後の独白の後ろに何かありそうながら、その姿はつかめませんでした。
この作品では謎とは何かと考えさせられました。他の方々も仰っているように、語り手が謎という言葉を持ち出すまで、この話には謎はないように思われます。書き物に、サメはどうして逃げていったのだろう、との一言でもあればまだわかるのですが、婦人共々奇跡で納得しています。科学的であろうとなかろうと、納得するところに謎はないと思った次第です。
ところで、祖父である主人公はこののち、サメの逃げた原因を知ったと個人的に思ったのですが、どうでしょうか。謎を明かされも失せない奇跡を信じる心が大切なような。

 感想だけ(評価は不記入)ですが書き込みします。
 二重構造の伝記風が心地良くて、二つの家族の行く末に幸あれと思いながら読了しました。「ミステリアス・ドール」の方の『小技』にちょっと垂涎しました。
 読ませていただきましてありがとうございました。

 物足りなさがすごく強いです。「もっと読みたい!」という感じではなく、言葉が悪いですが「これだけなの?」って感じです。なんでしょう、主人公の「私」側のストーリーが特にないからでしょうか……

 締めの段落に「徒然草」みたいな印象を受けて、ついふふってなりました。そういう意図で書いたわけではないと思いますが、もしナンセンスさを狙っていたのならやられました。でも、一つの完結した掌編小説として読む場合、この段落は削って代わりに描写とかにした方がいいかなぁと。そうすれば、読者にこの「教訓」を探させることになり、この作品の余韻みたいなものが生まれるんじゃないかと思いました。

 物語の中に物語が入る話は、特に文字数が制限されている場合、書くのがすごく難しいんじゃないかと思います。どちらももっと書き込みたいのを、ぐっと我慢したんじゃないかなぁという印象でした。

既にして他の方に、言いたい事を軒並み言われて居りますと、
なかなかどうして、ちょっと感想に困る所ではあるのですが。

お話としては綺麗に仕上がっていて良かったと思います。正に美談ですね。
しかし(これは別の方の所でもちょっと書いたのですが)
何かを悟った様な主人公の最後の独白、テーマと密に繋がった物言いは、
オチとして、物語を終わらせる為とは言え、端的に無粋と感じました。

それに加えてこのタイトル。
これが何とも、非常に渋い顔をせざるを得ない所であります。
謎は謎のままで。全く以ってその通り。
そんな事は解り切った事で、だからこそ、あえてわざわざ言う必要も無い。

真実に通ずると思い上がり、上から目線で老婦人を断じている主人公の態度共々、
良い話だったで終わらせたくとも終わらせられない凝りになっているのが、残念な限りです。

すごくよかった。
自然に入っていて、すっきりとまとまっていて、読後感がすごくいい。
小説いいなぁと思えました。

作者さんの他の作品も読んでみたいです。

美談ですね。謎は謎のままの方が僕もいいと思います。兎角、技術開示を求める世相は嫌なものです。技術は魔法で良いのです。

ラストとタイトルの執拗にも感じる「謎」の連呼が鬱陶しいのと、この話では酷く浮いている感じがした。
回顧録(?)内では一言もそれを「謎」と記載していないからだ。だからお互いの子孫が(ここでは私)が勝手に謎謎言って、御婦人は知ろうともしてない、それこそ不思議ねぇ〜で消化していることを他人(?)の私がとやかくいうのは、作者がお題に縛られすぎているようにみえる。謎謎言わず、本当の理由など話す気はない。で、真の理由などこの御婦人にもサメから逃れた御婦人の祖父にも必要ないことで、ロボットが救ってくれたというのが真実なのだから。くらいで終わったほうが、話しとしても流れとしても自然にみえた。……テーマで書いても、無理にその単語、入れなくていいのに。

美しい物語だと思います。
完成度も高く、読んでいても心地いいです。
こんな綺麗な心で生きていきたいと思いました。

 ところどころ金曜ロードショーを匂わせつつ見事な古典ですね。読点のリズムに変化がつけられていて玄人の文章というものの余裕を感じました。

ロボット人形…? メトロポリスのマリアみたいな…?
あ、ブリキの… ブリキデザインのロボットならかわいいかも…

いいお話でした!
謎は謎のままで置いておく方が良いと言いつつ、作品としてはしっかり謎解きをして読者を満足させる点が、にくい演出ですよね。さすが上手いなぁと思いました。
サスペンスの要素もありつつ、ラストはほっこりする良作だと思います。

なんだか、この、つや消しなオチがいいですね。
理系男子としては「それはね! サメにはロレンチー二器官というものがあってね(云々」と、やはりいろいろ台無しなことを喋らずにはいられないと思います。そこが、このお話の美しいところなのかなぁと思いました。
面白かったです

お題の処理が見事でおそれいりました。
何でもかんでも解明すれば良いってもんじゃないですよね。

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