Beyond朝森雉乃 への感想

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評価平均

発想3
構成3.2
表現3.3
総合3.2


青い春ですね!
自分も志望動機を用意しながら「ねーわ」とその論理構成に無理を覚えるクチでした。
客観的に見ると鹿田も拙いんですが、主人公から見るとまぶしく見える気持ちは理解できますし、自分が同年代でしたら同じようにまぶしく思うだろうと思いました。

紀本は受け受けしいですね!(BL感)

ひと頃よりマシになったとは言え、就活は厳しいですね。とは言え主人公の志望する職が具体的に見えず、ただ「飛ぶ」とあってもどうするつもりなのか不安が消えません。棒高跳びで学んだことはなんだったのか、社会で通じる普遍性を見つけたのか。その辺りの鍵になる部分がムードに流されて曖昧になったと感じました。

 冒頭の棒高跳びの描写がさわやか。ところが続く場面では一転、主人公は圧迫面接という理不尽に直面している。メリハリのつけかたがうまい。
 ラストは、本当の試練はこれからだ! なわけですが、紀本はそういうことを承知の上でこの道を選択しています。彼は大人で、先々に必ず小さな後悔に見舞われることも、最終的にこの選択そのものを後悔する可能性があることも知っています。それでも選んだのです。
 地にしっかりと足がついているからこそ、高く飛べる。
 作中人物に「がんばれ」と声援を送りたくなるような読後感でした。

青春時代にある迷い、未知への憧れ、爽快感がいい率で組み込まれていたと思います。
書きたいことが結構似ているかもと個人的には感じたので、今後を期待したいし、この作品でもシンパシーを感じました。
登場人物の心の動きがもっと読みたいと思わせられました。狙いがそこに在るのなら、一読者としてはもっと書いて欲しいと思います。

鹿田君との遣り取りが、
若干浮ついた感じを受けつつ、
爽やかな青春の後日談として、
上手く纏まっていると思いました。
最後に読み終えたのですが、
最初にこれというのは、
なかなか幸先が良かったのだな、とも。

棒高跳のようなマイナー競技をなぜ題材に選んだのか。また、その理由がない。マイナー競技とはいえ、インカレ国体などで表彰台レベルにいるマジ体育会系、さらにあえてマイナー競技を選んでそこまでいった人間がふわふわした志望動機というのは、そこはかとない違和感。航空業界への志望動機が空への憧れってのも、業界志望というか業種志望で、グラウンドスタッフ志望にしたらやはりしっくりこない。ラストへの心の動きもあやふやな上、実業団がマイナー競技選手、しかも毎年二、三人いるレベルの選手を取るほどなのか。季節柄、今年の就活期間とも前年就活解禁日とも合わない(実際は前倒しだろうけど)。と、話しの本筋そのものではないところでいちいち引っかかりがあり、話しそのものが楽しめなかったししっくりこなかった。
つーか、棒高跳っていうと鳥人ブブカか英ちゃん(バナナフィッシュ)っていう程度の認識なんだな、私。と思い出した作品でした。

爽やかなお話。主人公の名前がいい。青く高い空に映える青いイチョウ。イチョウは若さの象徴なのだろう。
流れるような文章。欲を言えば、もう一捻り欲しかったかな。

 コメントのみ書き込みます。
 越えていくのか。向こうにいくのか。人生の思い悩みの一端を垣間見た気がします。
 以上、読ませていただきありがとうございました。

冒頭は「僕」だから鹿田なんでしょうけど、読み返さないとわかりづらい。
ミスリードでもないから微妙。
冒頭を生かすなら鹿田主観で続けた方がよかった。紀本主観だとむしろ邪魔。
チグハグで芯がブレている印象。
文章そのものがよかっただけに残念。

 「ーー決めた。俺は飛ぶ」となるに至るきっかけが「よくわからない」からつながってくるので大丈夫かなあという印象が残ります。
 最後の決断は考えるより行動が先にくる思い切りの良さが本来爽快感なんだけど、ここではむしろクプリーンの『Allez!(さあ、やれ)』という不安タップリの短編を思い出しました。では決断の先も不安はずっと続くと表現しているのか、というとそうではないと思う。ここは演出面の弱さでしょう。
 冒頭のアクションシーンは効果的に改行を使うなど場面ごとに工夫が凝らされているし、それぞれに上手いので、単に後半だけが書けていないというより圧迫面接や鹿田の脚のことなどのネガティブな部分が全体的に見て詳細なので、この偏りがラストの希望を濁らせてしまったのもあるのかなと。

 ちなみにぼくは冒頭の描写は現役時代の回想かと勝手に思っていたんですが、いつの時点か確認できるような記述はないですね。

 冒頭と、面接シーンやカフェでの紀本の苦悩などはよく書けていると思います(跳ぶシーンの躍動感、ぐだぐだした内面など)。構成のわかりやすさは、力強さはあるもののまっすぐすぎるオチもあいまって、話自体の単純さを強調している気がしました。ラストシーンにおける紀本の決意の力強さが、紀本自身の納得には繋がっていても、読者の心を揺らすには少々力不足だった気がします。

冒頭の空を舞うシーンと、終盤の棒高跳びへのあきらめにも似た冷めた心象に齟齬を感じるけれど、冒頭は全て吹っ切れて飛んだセレクションのシーンということなのでしょうか? それと、セレクションの合格をコールされた後に、決めた。俺は飛ぶ。という決意表明のようなセリフで締まるけど、決意するのはセレクションに挑む時であって欲しかった。
俺の心情の機微が上手く表現されていて好感を覚えただけに、構成の順序にチグハグな印象をもってしまい少し残念に思いました。

 爽やかな読後感だった。文章も青春の汗が飛び散るような、瑞々しさですんなりと入り込めた。
 キャラクターも鹿田は限りなく爽やか、紀本も人間臭くて好きだ。鹿田君の分まで俺は飛ぶ、という青春ど真ん中のラストも好感が持てる。
 でも、人生そんなに甘くない。就活せざるおえなかったのは、やはり厳然たる能力の足りなさがあったのではないか。再挑戦が成功して輝く主人公の姿と同時に、再挑戦したが元の木阿弥で悩む姿も想像できて苦しい。再挑戦だけが、自分の生を全うする道ではないという思いも湧き上がる。
 スポーツには圧迫面接に耐える、冷静なメンタリティも必要ではないかなあ……。

ザ・青春。
発想や構成は王道ですが、その王道がきちんと描けていると思いました。
読んでいて心地よかったです。

自分が結構底辺の方で徘徊しているような人生なので、とても眩しく感じました。
青春っていいですよね。
圧迫面接怖いです。

主人公のうつうつとした心情に、私も苦しくなりました。

鹿田くんが爽やかで眩しいイケメンですが、どうにもふわっとしてるというか、色んな意味で足が地についてない感じがして不安です。
別に鹿田くんが頑張るまでもなく、多くの人が空を飛んでるという現実があるので、その辺どう思ってるのか聞いてみたいところ。
まあ、足が地についてちゃ青春なんてできねーよ、というのもわかるので、これはこれでいいのかな、とも思いますが。

それぞれのシーンはよくまとまっているけど、どこか既視感のある話。良く言えば安定、悪く言えば退屈。

 短編まんがの新人賞で優秀賞止まりだった作品、というお話の主人公に似た印象を作品そのものに受けました。メタフィクションというものなのでしょうか。
 有り体に言えば無難です。無難な作品を書くことはもちろん簡単ではありませんが、上手さを競うのは読む者には無縁の体裁と存じます。

僕は何かで上位クラスを争ったことはありません。
勉強でも、スポーツでもずっと地べたを這いつくばっていたような感じです。
ですので、爽やかな青春を経験し、人生の次のステップに繋げようとする鹿田と紀本たちが羨ましく感じました。
頂点、というのを味わってみたいものです。
作品の技術的な部分に関しても述べます。短い中で破綻なく的確に構成されていると思いました。
文章についても平易で読みやすいと思いました。欲を言えば、もっと高く、もっと煌めいたような、凡人には書けない文章が読んでみたいと思いました。

ライバル関係ってこう……萌えるよねっ!
それって恋にもニテイマセンカ? あれっ?


まぁ、そんな腐った戯言は置いておいて。

鹿田くんの爽やか過ぎるイケメンっぷりが素晴らしいです。そんな彼に劣等感を抱いている主人公の鬱屈とかやりきれなさとかが丁寧に描かれていて良かったと思います。順風満帆だと思っていたライバルが実は故障で夢を諦めてて、でも新たな目標を既に持っていて、それを知った主人公も夢を追うことにしましたっていう心の変化が、短い中で上手く表現されていると思いました。



空気はよくできていると思いました。
圧迫面接からの感情の流れであったり、会話の自然さであったり。
細かく傷になりそうな点、言葉の選択や、地の文の説明に会話で説明を重複させるところなど、があるとしても読ませてくれる力がありました。

個人的には内容でもっと残酷な一面を押し出してもよかったのではないかと感じてしまう。
他の方が感想で主人公の未来を推測されていますが、私には紀本も鹿田も必ず苦しむと感じてしまう。二人とも飛ぶ瞬間にあまりにも固執しているから。冒頭とラストは主人公の輝かしい未来を伝えるためのものだと思いますが、真逆の匂いがする。
短編でそれを描き切ることは難しくとも、人生はかくも複雑なものなのだ、と描いた方が読者を揺さぶれるのではないでしょうか。

 小説を読んでいる、というより、漫画を読んでいる感覚でした。
 歯切れのいい短い文章でイメージを喚起させるのは有効な手法なんだけれども、それだとシーンが漫画のコマ割りの如く分割されて、文章を読んでいる気にはどうしてもならない。
 3000~4000文字という制限で、この手法にならざるをえないというところもあるのですが……それならばもっとシーンを絞り込んで、そのシーンについて、濃密に描写してほしかったです。そういうことのできるのが「文章のみの作品」だと思うので。

序文はイメージのみで書いた感じが抜けきれていない。もっとこう、躍動感溢れる、息づかいや熱量とか、あと会場の緊迫した空気とか表現できたんじゃないでしょうか。読者を引き込む臨場感が欲しかった。
場面変わって面接のシーン。まず食品会社の社員が揺れるほどの口ひげを蓄えているのが違和感。
等、ところどころ引っかかりがあり、途中説明を急いでしまっている感はあるものの、全体の物語構成は良い印象。何より最後には『青春っていいよね』と素直に感じられる作品。
序盤からそれを堪能したかった。

ストレイトに青臭い話で嫌いじゃないです。
主人公くんは結局、状況に流されるだけの人でしたね。競技者引退したあと指導者になれたらいいですが、酒に溺れて荒んでいく未来も若干見えました。
色んな意味で目が離せない主人公くんだと思いました。

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