鼻先にブルー木野目理兵衛 への感想

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評価平均

発想3.6
構成3
表現3.7
総合3.4


皮肉な感じとマイルドさと笑いとその他諸々をこれだけの文章に注ぎ込めるのは本当に才能だと思います。
読み方によって味を変える文章を書くというのは作者の意向は置いておいてもすごいことです。
これ本当に味を知らない人にはいきなり外国のお菓子を食べさせられた感があると思う。
自分も果たして掴めているのかは疑問な時もあるけれども。
それでも今回の作品は読者に寄ってくれてると思いますが、本当にこういうもんだよって言葉で説明するのが難しいなあ。
全体に漂うアイロニーな雰囲気が本当に堪らんです。

 コメントのみ書き込みます。
 そのアイスバインを出してくれる店に予約を入れたくなりました。
 以上、読ませていただきありがとうございました。

うむ、馬鹿馬鹿しい。
内容が、というよりは応用を考慮せず、よくもわからん発明に全精力を傾ける人物の滑稽さと、それを語る言葉がいい。

言葉はいいのだが、重みを感じる。リズムも少々悪い印象があり、サクサク読み進めることは難しいのではないか。
言葉の選択を変えるだけでよくなると思う。

何度か読みなおしているうちに少しずつ読み解けてきた気がします。
散りばめられた諧謔と、創ることだけを目的として創られた空飛ぶ豚の技術が様々な分野に役立っている皮肉めいていた結末と、そんな豚さえ食べてしまう人間の欲深さと。
ただやっぱり全体的に漂う気難しさに慣れるのは時間がかかりそうです。

作者は分かりやすさと分かりにくさの境界線に挑んでいるんだろうか? という気にさせる。
この作品は読めた。じわりじわりと来る何かがあっておもしろかった。


 もう一本と装いは変わっているものの、やはりこの作品にもあちらで書いた感想と同じものを感じます。「(読者の)もっともわかりやすい」ところに読みが流れていってしまう、というのは読者の自由に委ねるときの弊害ですね。
 同じ作者の作品としてこの二本だけを読んだなら自分なりに読み分けることもできたと思いますが、こうした色々な作品が集まるイベントに二本ともポンポンと投下してしまうのは戦略的に無邪気すぎたかなと。

各所で散見される「兎にも角にも、亀にも毛にも」から始まった「兎角亀毛」が最終的に食レポまで貶められてしまうという構成が計算されていてなかなかユニーク。アデュナトン(ウィキった)や1984でおなじみオーウェルなどの小ネタ(?)も各所にちりばめられていて面白かったけど、そもそもオーウェル読んだことないし、小ネタ(?)と思われるも元ネタがわからないものがたくさんありそうで、もしかしたらこの作品は小ネタオンリーで構成されているのでは?と疑心暗鬼に陥ってしまいました。
人間たちのエゴで作り出された空飛ぶ豚も最終的には食されてしまうわけですね。まあ豚ですからね、食ってみますよね。もし遺伝子操作がされているなら健康被害が心配でおいそれと箸も伸ばせませんけど…。あ、でも痩せた豚は美味しいはずがないという新しいアドュナトンを提唱しているのかな?
今作はかなりサービスしてもらったようで、だいぶ読みやすかったような気がします。

 語り口は脱線しているようであまり脱線せず、その軽妙さとところどころに挟まれるおかしさで読まされた感じです。作られた空飛ぶ豚の描写も迫力があり、その末路や彼の死後にもたらされた結果には、なぜだか笑いがこみあげてきました。全体としてみると、終わり際が微妙に間延びしているような印象を受けました(最後の言葉自体は締めになっているはずなのですが、前の文章からの流れのせいか、どことなく閉まりきっていない感じがします。むしろ、それでいいのかもしれませんが)。

 小気味いいテンポ、極彩色の言葉使いが醸し出す、眩暈。これはとても好きだ。単純に思える(この作者の事だ、読み込めば深いのかもしれないが……)この話をここまで華やかに、そしてイカサマ師に担がれたように楽しく読ませるのも非凡な才能だと思う。だけど、この作者の真の魅力は、読者を煙に巻きながらその作品の背後に広がる世界の深淵を垣間見せてくれることだ。今回は、それを垣間見ることができなかったのが寂しい。もちろん自分の読解力の無さのせいなのかもしれないが、それならばもう少し一般読者の方に降りてきてほしいと感じる。

 冒頭から何となくにやにやが止まらない。幾つかの日付がいきなり並べられるが、これらに意味があるのかないのか。いちおう検索してみても共通点は見つけられなかった。そこへ来て、作者独特の言葉遊びの連続。しかしG. オーウェルを読んだことがないので、本作のおもしろさは二割減かもしれない。(なお一割は一回のニヤリに相当するものとする)

 ところで反重力ですか。翼をバッサバッサと羽ばたかせるのだと思いこんでました。冒頭の酔っ払い二人の話に、すっかり惑わされたというか、自力で飛ばないなら、飛行機に乗せてもよかったんじゃ……え? あぶない? 赤くなければだいじょうぶですよ。

 お味のほうはおいしいということで、むしろ哀れさが一層つのりました。でも食うよね。出されたら食いますとも。

 豚はホントに空を飛ぶ……いや、なんか違いますね。すみません。

 全体的に含み笑いを催させるナンセンスな可笑しみがあって、楽しめました。話がなんだか分からないまま右へ左へよろめいていくのも、「ジョッキ片手の酔客達」に混じったような感覚に陥りました。そして最後にまさかの「召し上がれ」と来たものですから、ついそのまま得体の知れないアイスバインを麦酒とともに流し込みたくなります。
 なんで面白いのか、と聞かれると、言い表しにくいのです。これがその? はい。彼が。という部分がことさらにピックアップされて大げさに書かれているようなところと、結婚記念日誤差一週間だからというようなやけに大ざっぱなところとが混在していて、話の規模と書かれている内容の落差が激しいのが面白味でしょうか。
 初めに一読した感じではそれほどピンと来なかったのですが、感想を書こうと思い返す間にだんだん染み込んでくる面白さでした。

美味なんですか(笑)
独特の雰囲気で興味深く読ませていただきました。
なんだかくせになる文章ですね。

素晴らしい、これこそSFの真骨頂というべき作品でしょう。言葉の一つ一つも選び抜かれています。
研ぎ澄まされてメスのように鋭くなった太刀のような印象を受けました。ただし、おそらく作品を完璧なものにするには文字数が足りないように思われます。

よくわからなかったけど、なんかじわじわ来た。

純粋に楽しめました。言葉選びのセンスは毎回すごいと思いますが、特に本作品は雰囲気と噛み合っていると思います。

ちょっとよくわかりませんでした。
一応、読むだけは読めたのですが、「お、おう、そうか……」となるだけで、二の句が継げません。
木野目さんの作品は、毎回読解できなくて本当に申し訳なく思います。読み手にどんな読み方を期待しているのか、一度お伺いしてみたいところです。

飯屋で料理の話してる話だったとは!
著者特有の独特な、装飾華美な言い回しは今作でも健在ではあったが、他作品に比べてはるかにわかりやすいものであった。飛べない豚はただの豚とは言うが、飛んだところで豚は豚であったところが、物悲しい……

御愁傷様、モグモグなど「洗浄屋」と同じ言葉がいくつか見られましたが、作品に関連があるのか、つい出てきてしまっただけなのか、内容を把握していないのでわかりません。こちらは地の文と会話があり話のような話が含まれた作品ですが、後半はやはり思索がちで、良くも悪くも特徴のある作風だとは思います。

この話は、先の掃除屋さん(?)の話よりわかり易かったです。
空飛ぶ豚開発秘話といったところでしょうか。紅豚でも赤牛でもなく、翼の生えた青豚というわけですね。
木野目さんの独特の語り口にも段々慣れてきたのか、はたまた木野目さんがこちらに譲歩してくださったのか、なんとなく味わい深いと思えるようになってきました。
とりあえず美味しいお肉は食べちゃえ。という人間の業の深さが沁みます。

『洗浄屋のアニー』には、おやと思わせるようなものがありましたが、こちらはあまり、響きませんでした(同名の別の作者のかたでありましたら、混同してしまって大変申し訳ないのですが)。
うまく言えないのですが……『アニー』の方は、何か鮮烈なものを必死に訴えかけてくる声が文章から滲み出ていたのですが、こちらからは、読んでいる最中も、読んだ後も、何も聞こえてこなかった、といった印象です。あるいは元からそういう性質の文章なのかもしれませんが。

まさかの木野目さん二作品!
掲載順も近かったので、ちょっと読むの疲れました。
しかし『くだんのばか』にも通ずる、かくもばかばかしい物語は、ケレン味たっぷりに、かつ風刺も効いて、なんとはなしに楽しい作品に仕上がっていました。
けっして大満足はしないんだけど、なんだか『ふふん』と読みながらにやけてしまうそんなお話。

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