日澄の空夢日光一 への感想

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評価平均

発想2.9
構成3.2
表現3.5
総合3.2


外の世界云々のあたりで彼らの正体が知れましたが、外の世界に憧れる彼女の儚い姿がその夢の儚さとリンクして見えました。描写は綺麗ですがどれもか似た言葉が重なっていて、思いの外立ち上がる情景が広がっていないように感じられます。また、他の方も仰っているように、最後の直接な種明かしは興が削がれました。
翼の描写が一言あれば十分と思えました。

少々ナルシスティックな、けれど綺麗な文体とおはなし。
最後のオチ二行に関しては、想像の余地を残す為にも、
無い方が良かったかな、と。或いはもう一捻り二捻りは欲しかった。

 コメントのみ書き込みます。
 最終行の二重かぎ括弧の言葉がない方がもっと楽しめたような気がします。
 以上、読ませていただきありがとうございました。

十八番の文体で、且つ話の筋も好んでいるものだから安定感がある。

しかし叙述トリックの存在に如何なる価値を与えるか。
他の方も触れているが、雰囲気小説でいくならば邪魔であり、叙述トリックのための作品であれば雰囲気が壊れてしまう。
歌野晶午の某作が同系統の雰囲気を有しながら壊れなかったのは、トリックの徹底と日本人の日常生活の盲点を突いたからに他ならない。
どちらかを重視して構成するべきであったろう。

SF的な世界観のまま位って欲しかった。
きれいで丁寧な文体だから、想像の赴くまま世界観を広げられた。
ありふれたオチで、強引に現実に引き戻されたのが逆に嫌だった。

適切な描写と言葉選びがちゃんと読者に向かっていて好感が持てます。叙述トリックは割と早い段階で綻びを見せていて、僕と彼女の正体はそこはかとなく分かってしまう。でもそれそれはそれで結末を予感させて悪い印象はありません。ただラストシーンでプレートの文字を読んでしまうのは、それまで丁寧に積み上げできた雰囲気を足蹴にしてしまっている。消えかけた字ならそのまま読まなければいい。叙述トリックは中盤で破綻しているのだから「歌いたい」などの象徴的なセリフをラストに持ってくるだけでも成立する話なのではないでしょうか。

 こういうオチはもう使い古されてますんでもうひとひねりふたひねり加えるか、あるいはもっと文章を下手くそにするとかスカスカにするとかしないと表現と仕掛けのつりあいが取れない。
 これ書いて満足なんてしてほしくない腕前ですね。してるのか知りませんけど。

 前半のわくわく感から、飛びだしてくるオチはそれなりに意外でした。ただ、最後のための伏線とはいえ、情報を伏せていることがあからさまに読みとれてしまうため、読者としては、なにか仕掛けがあるなと勘ぐってしまいます。そうでない場合、足場のはっきりとしない雰囲気小説(もしくは終末物のSF)なのだろうな、という風に読まされてしまいます(おそらく、作者としてはこちらの読みに誘導したいのでしょう)。前者の読みをしている人からすればくすりとする以上の衝撃はなくなり、後者の読みをしている人は一読目は足場のなさのせいでどこかふらふらとした読みを強いられます。そのため、一読目は(初読時に読みとれる世界に強烈な魅力を感じているというのならば別ですが)、最後がやってくるまで、中途半端な印象のまま読書を終えることになります。そういった掴みどころのない状態が長々と続くことが弱点でしょうか。それと騙された場合の光景の変化が、SFっぽい世界観→鳥籠、なのも、どことなく残念さを大きくし、叙述トリックによって読者の世界が入れ代わる前の作品の綺麗さを損なっている気もして、やられたという感情よりも、拍子抜けしてしまったという感情の方が強まってしまった気がします。

静謐な詩という印象。
彼女と僕、
白と青、
安全な地と危険な空、
不自由と自由、
対比と綱引きを経て、選んだ未来は?

静かに進行しながら迎えるクライマックス。そして、明かされる擬人化の答えと、明かされぬ、僕の正体。

静謐な詩でした。


 透き通った少女の美しい面影を頭に描いて読んだ。最初に二人の正体が明示されていない、ってことは自分としてはまずは自由に妄想の翼を広げていいってことだと思い、脳内は中二病患者と成り果て、隔離された少女、ディストピアかなあなどといろいろ妄想して楽しく読んだ。で、最後の種明かしのところでイメージがかなり違ったのでちょっとがっくり。読みかえせばビー玉のように黒く漆黒に光る眼とか、手掛かりはあるのだが……。文章が繊細で感傷的美しすぎて現世には正体のないようなものを想像していた。むしろ正体は明かさなくてもこのまま不思議世界で押し通してもよかったのでは、と個人的には思ってしまった。

柔らかい文体で物語全体に漂う切なさや儚さ、そこへ待ち受ける未来は幸福だけではないという物悲しさもあり。
とても素敵な物語でした。
最後のネタばらしがつきつけられる感覚を覚えるので少しぼかしてくれた方が余韻の残り方に違いが生まれたのかもしれません。

 好みの文体で好みの話を書かれた! という感じで、とにかく好みです。最後のネタばらしがなくても十分に作品として成り立つ気がしますが、ネタばらしがあればあったで、首の描写やビー玉のような目といった表現が利いてきて、それこそ世界が広がるような新鮮さでもう一度作品を振り返ることが出来る、一度で二度おいしいと感じた作品でした。

 「彼女」の冒頭の描写が非常に繊細ですが、考えていることややることは無邪気で活発なので、そこの食い違いが少し気になります。どちらかといえば、「彼女」にはもっと壊れそうな考え方をしてもらいたかったところです。ヤンデレというか。はしより重いものを持ったことのない令嬢が、町の若い衆と駆け落ちする時に考えるようなこととか。外の世界で空を見たら、あとはあなたと一緒に死ぬだけよ、みたいな。でも外に出てみたら、もっと世界を知りたいから、死ぬのは全部教えてくれてからね、みたいな。
 すみません、取り乱しました。それだけ、この「彼女」というキャラクターに惹かれたという感じで受け止めていただければ幸いです。

 インコの観察がよくされている動きの描写なのだろうなと思います。手が出てきたり、小動物のような可愛さという表現があったり、咀嚼したり、インコが考えるかなとも思われるような表現もありますが、あまり気になりませんでした。

 タイトルに「空夢」とあるのは、彼女が外の世界に抱いた希望や夢が、いずれ失望に変わることを暗示しているのでしょうか。
 一般家庭で飼育されていたセキセイインコが、自然下で生きのびる確率がどの程度なのかわかりせんが、稀に群を作ったりすることが日本国内でもあるようです。外の世界を知る「僕」の知識と、彼女の行動力で苦難をくぐり抜けてほしいものです。

 やわらかい文章で読みやすいながら、全体的になぜか寂寥感がにじんでいて独特の雰囲気がありました。

描写が綺麗で、読んでいてその世界に浸ってしまいました。
やがて直面する現実にも、二人(二羽)なら負けないことでしょう。

残酷な物語なのだろう、そう思う。
でも、こうした物語に感動を覚えるのは、人間とは常に外の世界を見ようとする生き物だからかもしれない。

オチが予想の範囲だったので、そこが残念かな、と思ってしまいました。

なんか面白くない話だなって思ったら、オチでええーってなった。面白かったです。

タイトルの意味がよくわからないので調べたけれど、日澄はお坊さんの名前で、空夢は見もしないのに見たように作り上げた嘘の夢ということをなのでこのタイトルからするとお坊さんが語った嘘のお話? に、なるのかな?? とか。混乱してます。
でもあまり深い意味はないのかもしれないし、わからない(混乱)
ここは作者さんの解説を待ちたいと思います。


この手の叙述トリック作品、私も好んで書いているので、同志が現れた気分で嬉しいです。
「かきあげ!」の文字数下限だと、どうしても間延びしがちになるのですが、会話の緩急の付け方が上手で、退屈さはありませんでした。

ただ、自分のことを棚に上げて申し上げると、叙述トリックが「トリックを見せたいためだけのトリック」になっているのが惜しいと思います。
「トリックによって作品のメッセージが強調される」という形が理想的です。

とはいえ、破綻も間延びもせず描き切ったところを大いに評価したいです。
インコたちの行く末を思うと、悲観的な未来が見えてしまうところではあるのですが、せっかく自由を手に入れたんですから、健闘を期待したいです。

外の世界に出たあたりで鳥の話かな? と、予想がついてしまいました。そこまで読者の想像力を綺麗に誘導できたいたので、最後の一文が直接的すぎたのが残念。比喩や暗喩を使ってあくまで読者の想像力に任せてしまった方がよかったように感じます。

 あまり多くのことはここでは語れないのですが、あの結末には納得できませんでした。
 上手いか下手かどうか、ではなくて、体質的に、ああいうオチが受け入れられないんでしょうね、きっと。

おそらくは人以外のなにか小動物の物語なのだろうと思いつつ読んでいたが、それが何であるかはけっきょく最後の一文を読むまで分からなかった。
作法としては、その最後の一文を書かずに読者に悟らせるのが正解に思う。それまで丁寧に作ってきた世界観が、それのせいで妙に野暮ったいものになってしまった。

 きれいではかない恋愛話に落ちがついた作品。この終わり方だと落ちの役割は意外性をもたせるくらいですが、引っかかりがなさすぎてするっと落ちてしまいました。それだけうまいのですが、あと一歩の工夫がなければそこまでの作品です。

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