転勤談論地下猫 への感想

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評価平均

発想2.8
構成3
表現2.9
総合2.7


作者です
たくさんのご感想、ご指摘ありがとうございました。
評価を落とすだけかもしれませんが、感想戦的なものをこちらに残しておきます。

本作で私が立てた問いは「海外転勤は栄転か左遷か」です。
これを表現するため、
・幾つかの立場の人たちに喋らせる
・栄転、左遷どちらとも取れるような内容にする
を念頭に置いて作った、つもりです。
前者は好意的に受け取ってくださった方がいらっしゃったので、悪くなかったかなと思っています。
問題は後者で、中途半端、という感想は(自分の文章の拙さを除いて)多くはここに起因していたのかも。
オチは最後まで悩みました(初期の頃はオチがなく、事業本部長に話が戻って、「で、転勤する? しない?」と問われたところで終わる構成でした)。ただ全体が物語的構成とは言いがたいので、オチの一つでもないと完全に発散してしまうかも、と思って最終的に入れました。こんな感じでいろいろ躊躇い傷が残ってて、東南アジアは確かにダウトでした。
もう少し良い話の持って行き方もあると思うのですが、さてどうすべきだったのかしら。

と、ここまで振り返ったところで、海外勤務とかそんなに興味の持てる話題じゃないような気がしてきて、そもそもの私が立てた問いが筋悪だったかも、が結論です。

そんなこんなですが、本作をお読みいただき、ありがとうございました。

この作りにした発想とやろうとした試みはいいのかも知れません。
でも、個人的にあまり肌に合いませんでした。
と言うよりも、似たようなことを考えたことがあるゆえのものかもしれません。
それでも、そうならそうでもっと練れたはずだと思ってしまいます。
読んだ後するっと何も残らない感じがしてオチも個人的には受け付けれませんでした。
語り口はそんなに嫌いじゃないのに、本当にもやもやしました。

砂漠の夜は寒いです。特に冬は。なので現実に暖房器具が備えられています。なので会社の勝機はありますが、この話のオチがなくなってしまいました。総じて男性軍は応援し、女性軍が否定的というのがいかにもステレオタイプで、もう少し毒のあるキャラクターであったらと思いました。表向き暖房器具と匂わせて、実は…という展開も面白かったかも。

一つ一つの会話が伏線となり、結末に繋がる話かと期待していたのですが、待ち受けていた落ちには首を捻らざるを得ない。
明確な結末を与える必要性は必ずしもないが、落ちが落ちだけで独立しており、見方によってはこれまでの会話はなんだったのかと。
父親と同じ疑問は同期も抱きそうなものだし、読者に受け入れられるだけの下地が提供されていない。

落ちをつけずに、会話から不安や不可解さを煽るような展開でもよかったのではないか。

 コメントのみ書き込みます。
 末行の余白に赤い鶴のマークが見えました。
 以上、読ませていただきありがとうございました。

最後までケン本人を出さずに落としているところは好感が持てます。ただ、オチのために積み上げられた前フリの落とし所が本当にこれでいいのでしょうか? 他の人も言っていますが会社が単なる思いつきで投資するはずもなく、商機あっての事業展開のはずです。百歩譲ってそれには眼をつぶるとしても、このオチではパンチが弱い。
オチによって成り立つ話なのでそこが致命的に感じました。

内から広げて行くのではなく、外堀を埋めて人格を形成していく方法に感心します。
小学校の同級生がギャツビーの営業マンと結婚してマレーシア行く時に、作中の恋人と似たようなことを聞いたのを思い出しました。

 初挑戦のツギハギという印象。「これがオチだ!」というオチなんだけどオチが弱いという謎の演出、構成も効果的ではなく手抜きに見える。文章自体はそうひどいものではないのでひとつでいいから膝を打つところが欲しかった。

がががっ、、、 そういうオチか!
やられました。
オチ直前までの描写が見事な分、オチが光りました。完璧です。

 ベタながら、恋人の問いかけにまず笑わされました。かなり最初の時点で、主人公がどんな職業についているのか、というところが主眼なのは見えていたので、どんなオチが来るのかなとかまえていたのですが、結果としては少しクスリとくるくらいでした。主人公が一言も喋らず(厳密には書かれていないだけで答えているようですが)、周囲の人間が語るという形式は、個人的には好みですが、それを生かすための最終盤は、前述しましたがやや肩透かし気味でした。むしろ、読みどころは主人公の転勤への周囲の反応でしょう。テンプレートの上に程好くつけられた微妙なキャラ付けと語りに、ところどころで可笑しみを覚えつつも、最後までその微妙なおかしさを保ったままだったのは良かった気がします。

主人公には一切喋らせずに周囲の人間の発言だけで物語を構成するという発想は面白いです。
恋人との別れ、別の国とはいえ内戦やテロ、迷子など恐怖を煽るような構成をして、そこまでの決心を主人公にさせて、最後のオチが「暑い国で暖房器具を売る」というのは、どんな反応をすればいいのか迷います。
部長は本気で新プロジェクトに期待してるのかそれとも体のいいクビ宣告なのか。

 おもしろいなあ、発想が。一つの案件について、主人公は一切出てこず、周りの人が語っていく。主人公の描写が一つもないのに、だんだん主人公の能力、性格、そして内面までもが浮かび上がってくる。同時に自分がこの人であれば行くかなあどうかなあという葛藤も生まれる。このまま投げっぱなしで最後でも良かった、むしろオチは要らないように思える。
 ま、オチのような状態であっても、この辣腕の主人公であればなんなくこなせるであろう。だが、若干マザコン気味で女運も良くないのが心配だ。ひねった形式を上手く生かした逸品だった。

 藪の中、というわけでもなかったですね。本当に出来るセールスマンはエスキモーに冷蔵庫を売りつけるって小話がありますけど、まさにそんな感じの話でした。
 タイトルが「転勤談論」と、S国には出向かない前提になってしまっているのが、とてももったいないと思います。周りの人間の声だけをピックアップし、「ケンちゃん」がどのような決断を下すのかに焦点を当てた書き方なのに、初めからネタばらしをされているようで似合わないと思いました。この作品の一番の醍醐味は最後のジョークなのかもしれませんが、ケンちゃんがS国に打って出るか、転職をしてしまうのか、そのハラハラ感をもっと楽しめたらもっと良かったかなと思いました。
 たぶん、東南アジアに投資を一通り終えたと満足そうにしている会社なので、中東でも売れるめどは立っているだろうと思います。ヒラからの大抜擢とか実際に起きたら怖すぎますが、もしかしてあったら、という風に自分に置き換える楽しさもありました。

ケンちゃんにはぜひ事業を成功させて、一回りも二回りも大きくなって帰ってきてもらいたいですね。それまで恋人が待っていられるかがこの話のキモだと思ったんですが、違いましたか?

人物造形こそテンプレ的、だがそれ故に、
滑り良い語り口からの最後のオチが、
なかなか効いていて良かったです。

強いて難点を言うと、ここまで書けるのであれば、
誰が喋っているのかは、省いて良かった、という位でしょうか。

後は自分も気になった、中東暖房器具問題。
冷静になると確かにちょっと弱くなるか、と思わせて、
グルリ冒頭、本部長の思惑に舞い戻り、
誰や彼やの意見に翻弄される繰り返しに陥るから、
個人的には、寧ろこのままで、という所でしょうかね。

 インタビュー形式で事の発端から始まって、友人、恋人、両親と順々に親しい人の意見が綴られてゆく。それぞれがそれぞれの肩書きに相応するステレオタイプで、ここにおもしろさはほとんどない。だがよくまとまっている。オチがベタなぶん、ここは無難にまとめたほうが効果的という判断かもしれない。
 ところがである。
 中東でS国といわれると、真っ先に思い浮かぶのはサウジアラビアだろうか。国土が広いので一概には言えないが、中東でも内陸部は寒暖差が激しく、冬は氷点下にまで下がるらしい。イランにはスキー場もあるんだそうで、だからまあ、暖房器具がまったく不必要ってことはないと思われる。そもそも中東って北半球だし。そんなわけで、会社の戦略としてはそれほどおかしくはない? とすると必然オチは弱くなる。
 掌編として構成しまとめる手腕には達者な印象がある。作り込み練り込みに手間暇かけられなかったのだろうか。少しざんねん。

実際にありそうな話だから恐ろしいですね。
よどみなく読み進めることができる文章力は素晴らしいです。最後のオチにはガクブルになりました。
かなりの水準に達している作品ですが、しかし欲を言えば何か深さが足りないとは思いました。

それぞれの話の一つ一つはいいとしても、この話が一体なんなのかよく分からなかったq

最後の一文がこのお話の全てだと思います。
ステロタイプな登場人物たちのそれぞれの台詞は少々わざとらしく、茶番劇のようなのですが、最後の父の台詞でクスっとさせられたので、全てこのオチの為に狙って書かれたものなのだろうなと思いました。
中東に暖房器具はどうなんでしょうね〜? 砂漠だと夜は寒いのかな、とも思いますが、アフリカじゃないから暑い(湿度が高い)のかな? とも思ったり。父親の懸念もさもありなんといったところでしょうか。

お父さんのツッコミを見てから読み返すと「お父さん以外誰もツッコミ入れないのか……!」とじわじわきました。
好きな作品です。

とはいえ、この会社は既に高温多湿の東南アジアで成功している様子なので、お父さんのほうが的外れなのか? と、ちょっと心配になります。
作者さんがどこまで意図しているのか不明ですが、この「東南アジア」がノイズになってる気がして、もったいないと思います。

重ねて書きますが、好きな作品ではあります。
ただ、練る余地はありそうです。

 このような構成は好きです。人物同士の関係や、それぞれの心理状況などが、間接的に浮かび上がってくるようです。その辺の確定を読者にほぼ委ねているために、読んでいてくさくさするとか、そういうことはまったく起こりませんでした。
 他方、話者が移るごとに、もう少し何かしらの変化(外的にしろ内的にしろ)や、彼らの間の緩い繋がりなどが、欲しいところでした。

いいオチだった!

僕が小学生の頃、小学校の先生をしている親父が「俺、海外に行きたい」とか言い出して、日本人学校の先生として、当時あまり名前も知られてなかったシンガポールに家族総出で三年暮らすことになった時のことを思い出しました。
そうそう、あのときはこんな感じだったなぁーとw

これは面白いのか面白くないのか、一読しただけだとなんとも言えない不思議な感覚に陥りますね。最後の一文がオチなんでしょうけど、それなりの規模を持った組織であるところを見ると、例えばワンマン経営者の独断戦略とも思えず、充分に検討され勝機ありと睨んだ展開なのでしょう。だとすれば父親の意見は門外漢の素人考えで、読者としては、『そんなもん売れるか!』って単純に突っ込めないのです。
つまり何が言いたいのかってことですが、オチが弱いために、そこまで淡々と進んできた話が、淡々と終わってしまった印象を受けるのです。
欲を言えばもっとインパクトが欲しかったかな。

 『藪の中』のような作品かと思えば構成が生かされることもなく、落ちはとってつけたようで、これだけ内容がない話も珍しい。

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