ムラサキハルカ への感想

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評価平均

発想2.9
構成3.2
表現3.3
総合3


文章や雰囲気の作りが綺麗でしっかり練られていたと思います。
ただ、話の展開はもう少しトントン拍子でもよかったんじゃないかなと。
思い出を主軸に持ってくるのならもう少し長い話でやってもいいんじゃないかなと思ってしまったので。
ただ、これはこれで読後はしっかりまとめられている感もあるので、個人的な引っ掛かりなのかもしれないけれど。
人物の描き方も本当に上手な作品でした。

描かれる内容と文章、そして醸し出されている空気がマッチしており、力がみなぎっている。

そのプロセスと内容には疑問点もある。
全体の分量を考えた時、過去話に比重が置かれすぎている。そこはもっと家族との距離感のずれを何気ないしぐさから示すような、場面をさしはさんだりなど、行えたら効果的であったかと。
あと、やはり何もないところから、変化は起きない。忘却の彼方にあったものをふと思い出したりなど、絶対に何かきっかけはあるはずです。逆を言えば些細なものでもよかったので上手くやってもらいたかった。

底上げされていると聞いていたので、それを感じられる嬉しい掌編でした。

丁寧な文体だし、読ませる力も感じますが単純に好みじゃないです。
昼ドラの中盤といった感じで、この先に嫌ぁなドロドロが待ち構えているような気がしてならないから、不安しか残らない。

女の人の心の細やかな動きが描かれていて、面白かったです。
指摘するような難点は何もないですが、もっと描写を深めることが必要だと思いました。

 コメントのみ書き込みます。
 新天地に向かって旅立つオープニング。この先に続くサスペンスが楽しみです。(違
 以上、読ませていただきありがとうございました。

 だまされました。若干、自分の娘を「年頃の女子高生らしくかわいらしい」なんて言うだろうか、とか、いくつか引っかかっていた部分はあったんですが、疑うことなく読み進めてしまいました。
 ただ、申し訳ないのですが、好みの「だまし」ではなかったです。してやられた!という痛快な印象を抱くことが出来ず、これなら家族の仲直りのきっかけをつかみましたという話の方が良かったな、なんて思ってしまいました。完全に好みの問題なのであまりお気になさらないでください。

 小鳥さんの性格というか、人格を描くのが上手いなと思いました。過去の思い出が一貫してその性格に基づいているので、その中心にいる小鳥さんを直接表現するよりもはっきりとどんな人なのかが分かる感じでした。なんとなく感情移入をしてしまいます。
 それにしても小鳥さん、鬱々としてらっしゃって、どうしてこれからめくるめく生活がやってくるなんて無邪気に信じられるんだ、と思ってしまいますが、やっぱりそれが恋の力ですよね。打算や妥協ではない、本当の恋を、人生中盤になって初めて見つけたのでしょう。え、でも槙久さんに一目惚れだったのでしょうか、それともナンパでもされたんでしょうか……公園で何の前触れもなく、なんて。あらまあ。

 この後、恋に舞い上がった小鳥さんが、飛行機みたいに着陸しちゃわないことを願ってやみません。少々飽きっぽい性格のようですから、槙久さんや椎子ちゃんに飽きてしまうなんてことがなければよいのですが。

これまでの出来事を羅列していくという手法によって、すでに終わった出来事として客観的に受け止めつつもまだ拭い切れない思い出として残っているのがありありと伝わってきました。
ただ、このパートがちょっと長くなってしまい、小鳥を変えた出来事の印象が薄まってしまっているのが残念です。
何か最後にえげつないオチがあるのかと不安になりましたがそんなことはなく、小鳥にとってはハッピーエンドのようで安心しました。

些細なきっかけで不遇な過去からひと皮むけるカタルシスは一見小気味好く感じますが、蓄積され形成されたネガティヴな気質がそう簡単に払拭できるとはとても思えません。淡々と繰り替えされる報われない過去がただのひがみにしか聞こえない上に冗長で、さらにはその表現、手法が単一的なので退屈さを際立たせるいているように感じてしまった。彼女に共感することもできないし、自分には合わない作品のようでした。

 バランスなどの面で『Beyond』と似たことを感じました。もっともあちらは「この先」どうなるかが不安定に感じられることが演出的な不備に思えたのに対し、こちらではむしろそう感じられることが適した演出になっているという点で優れていると思います。
 ただこの作品では表現的にネガティブに偏っているというよりも、振り返る描写に分量的な偏りがあるので、文章そのものとしてはあちらが強かったかなと。

 やわらかな文章で、冒頭から何の違和感もなく作品世界に入っていけました。ストーリーも優しくどこか共感ができ、救いもあり温かい気持ちで読むことができました。
 途中で主人公が送ってきた人生に対して羅列がありますが、ここは少し増長でした。話の中のエピソードや会話の端に織り込むなどした方が、読むリズムが失われなくていいと思います。読んでいてこの主人公の人生がそんなに不幸せとは思いませんでしたが……。(いろいろ道を踏み外しそうな局面でまあまあ常識的な選択をしてきたような)
 一番興味がある「なぜ、気づきが訪れたのか」が、さらっと流されているのが残念でした。
 同伴の男性との関係がはっきりとはわかりませんでしたが、気づきから後、訪れたであろう泥沼と傷、それを乗り越えた雰囲気があまり感じられてきませんでした。(お母さんをフォローしている娘さんが一番エライ!)そこら辺を書き込むともっと、読後感がじ~んとすると思います。
 でも、「飛ぶ」にふさわしい未来に希望の持てるお話でした。

なんだろう。小鳥さんには絶対幸せになってもらいたいです。あれ、なんか涙出てきた。

小鳥さんの人生はループするのでしょう。でも幸せかもしれません。逸脱することなく、微温火のような不幸を楽しむ人生というのもあります。

 リアルにこういう人っていて、それをリアルに描き出していると思います。しかしリアリティ以上のことが見出せない。その行動や考え方もリアルなだけに、せっかくの叙述トリックにも意外性におどろくどころか、ああやっぱりというどんよりした気分しかわいてきませんでした。
 読者をあっと驚かせたいなら構成にもっとメリハリを、人間や女のどうしようもない性を描きたいなら行動や心象のさらに奥底を。
 この加減こそが絶妙と言う人もあるかもしれませんけれども。

これはつまり、家族を捨てて新しく妻子持ちの男とやり直そうという女性の話なのかな? 今までの半生を振り返っていくくだりは誰しもどこかしら同じような経験や感情を持っているのではないかと思います。そういう細かいところを一つ一つ丁寧に拾っている作者さんの観察眼が素晴らしいと思いました。
新たな地で三人が幸せに暮らせるといいですね。

申し訳ないですが、全然頭に入ってこなかった。丁寧と退屈は紙一重だと思いました。

最後の展開に、途中のはてながきれいに晴れて膝を叩きました。

地味ながら上手な叙述トリックでした。ワンアイデアで見事に成立していると思います。
ただ、ワンアイデアに頼りすぎた副作用か、中盤、長い回想が一本調子になっていて少々退屈しました。文字数の関係上やむを得ない措置なんだろうなと想像しますが、工夫の余地はありそうです。
とはいえ、この手の作品は好物なので、今後も期待させていただきたいです。

特に淡々と、他人事の様に語る回想の中、
怒涛の勢いで滲み出る苦い思いからの、
説明になっていない解放感が堪らなかった。
結局はまた同じ事を繰り返す事が伺える薄っぺらさが、
寧ろ健やかに微笑ましい。

 純粋に、良い作品だなと思いました。
 話の組み立て方も好きです。途中の、小鳥が過去の自分を一挙に回想する文章なんかは、勢いがあると共に、既に過去のものとして、冷たくあしらう姿勢も忘れておらず、良かったです。
 あまりに綺麗にまとまっているため、思わずその技術の高さに嫉妬したくなるくらいです……!

開眼!
何かを悟ったような描写があった割には、過去を捨てて逃げているだけに見えて感情移入できませんでした。
けっきょく新しい不満に苛まれて、小鳥はこれからも生きていくんだろうなと思いました。

不幸だと思っていた半生の振り返りに比して、気づきについての描写がさらりと淡白な点がどうも感情移入できなかった一因に感じました。

 丁寧に書かれており、とくに後半の流れがうまいなと感じたのですが、定石通りの展開が面白味に欠けます。また過去の不幸を振り返る部分が他とのバランスで見ると長く、重複もあるため余分な文章という印象を抱かせてしまったかなと思います。

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