首が飛んだと教えられたこと一兎 への感想

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評価平均

発想3.4
構成3.7
表現3.7
総合3.6


行き着く先絶望しかないけど物語としては好きです。導入で引き込まれましたが、初見では中盤から流し読みしてしまった。
男女、戦争、ファンタジーというだけで必然的にblind justiceが再生された。

皆様、拙作をお読み頂き、ありがとうございました。
本作は、前回「ツボ」の打上げの飲み会に参加させて頂いた際に編集部の方から、次回はファンタジーで! というお話を頂いたことをきっかけに書きました。結果として、かきあげサイズへ構成した際に、ファンタジー感のない話となってしまいましたが、ファンタジー設定を考えるという良い経験をさせて頂いたと思います。固有名詞という壁があることを理解しました(読み手としても固有名詞は苦手)。

せっかく作った設定なので、「戦争機械」といった概念、国際関係論、リヴィジョニズム等について頭に入れ直す意味でも、いつか長編版を書こうと思います。たくさんの感想や、ご指導・ご指摘ありがとうございました。

絶望的な終末感が漂う、とても好みの世界観の物語でした。
個人的にこういう世界設定やキャラ設定は本当に好きなので溜まらないです。
はじめに、から始まる二人の語りがすごく良かった。
自分もこういう表現は是非またやってみたいと思えたほどです。
ただ、どうしても評価となると厳し目に見てしまう。
もっとやれますよねって。

 コメントのみ書き込みます。
 心の奥底にある、得体の知れない何かがとても疼きました。
 以上、読ませていただきありがとうございました

彼は自分の居場所を求めて戦い、彼女は求められた自分の姿となるために戦う。しかし戦いそのものはその様な個人の動機など押しつぶし、彼らは結局滅びへと向かってしまったのでしょうか。生きる為の手段が戦うことしか知らないために、行き着く先が悲しかったです。断頭台に上がった彼らの走馬燈っぽかったです。

元他国の人間で現場の叩き上げで常に最前線にいるような将校が女王の個人的な所感を聞き、最後の戦いのお供をする関係に至るまで書かれてないのが、残念。
二人の対比は面白かった。

大きな歴史と、個人の意志。
あとから来た歴史家は、神の視点で過去を評価しますが、個人の意志を鑑みるのは得意ではないようです。
そんなことを考えました。

 「彼」と「彼女」の対になる独白を、スパンスパンとテンポよく並べたてて、絡まりながら最後に一つになる構成が魅力的でした。
 最初の一行もインパクト抜群で、たしかにそうだ、と思うと同時に、どういう意味なんだろう、とこのあと語られる物語への興味をかき立てられました。

 暴力しか手段を知らない、というくだりが印象に残っています。他に手段を知っていれば、居場所を求めて戦い続けなくてもいいとでも言いたげな、しかし、国に暴力がなければ国ではないとまで言い切り、集団には暴力が不可欠とも言う、この語り手のスタンスは、矛盾しているようにも見えます。
 タイトルが「首が飛んで教えられたこと」ではなくて「首が飛んだと教えられたこと」なので、革命に関わっていた彼や彼女自身は結局なにも教えてもらえない。のちに「歴史」として伝聞で知る第三者だけが、暴力や戦争ということについて学ぶことが出来るのだ、と。いうような感じで、なんとなく納得しました。登場人物が報われないのもしょうがないかなと。

なんといっても導入が見事で、その時点で作品世界に引き込まれてしまう。
似た境遇の2人が成長につれて獲得と喪失を繰り返して少年のような、少女のような大人に成長する。彼と彼女の並列された描写がそのまま彼らに与えられた境遇を表わしていて、並列、交差、乖離を繰り返し、そして出会う。こういう構成は大好物ですが、長編でこそ効果を発揮すると思います。掌編の読み物としても完成されていて楽しめましたが、少しの物足りなさを感じたのはそのあたりに起因しているように思います。

 表現や構成を抽象的にすることで内容を詰め込むというのは、それ自体ははっきり言って常套手段ですが、この人の作品はただそういったパターン(クセ)に乗せて惰性的に書いているだけではなく、毎回何かしら新しい試みがあることが感じられる。すごく濃いのにすっかり飽きてしまうということがないのはそのためだと思います。相変わらず何か得体は知れないけれど、だんだん食べ方だけはわかってきたということなのかもしれない。
 一度食べたらしばらくはいいし、一度に二本も三本もきたら吐いてしまうだろうけど、そのうちまた食べたくなる、ジロリアンを地で行く作風。もっとも作者自身は一日二回二郎を食べることもできるらしい。

世界はいつだって理不尽で、わたしがわたしであることを許容してはくれないのです。
戦争は不可避の運命にしか見えず、絶望だけが立ち塞がっています。

おはようと挨拶をすると〜のくだりでなんだこれという印象を抱き、その印象を拭えないまま終わってしまいました。
自分にはちょっと合わなかったです。

 文体のせいか、もしくは、ところどころの文章が粗く曖昧なせいか、なんとなく全体がぼけているように見えました(作者の狙い通りなのかもしれませんが、なんだか砂煙の中にいるようでした)。『彼』の回想部分の冒頭は少し話しが大げさすぎじゃないのかなどと思いつつも、それ以後は淡々とした文章に目が張りついていきました。両極端(ある意味似たよう)な人生は、胸に迫るというほどではなくても、終始重苦しい空気をはらんでこちらに迫ってきました。静かでありつつ、たしかな存在感があるお話でした。

ものすごくわからない。
文章はわかるのに、読み終わったとき何もわからないなんて、こんなことがあるんですね。自分の頭がおかしくなったのではと疑わせた小説は初めてです。すごいです。

 よくわからないまま途中で眠くなってしまった。一つ一つの段落はまるでおとぎ話のように美しいが、キラキラしたそのストーリーの破片をうまくつなげることができず残念。良くわからないところが良いのかもしれないが、自分としてはもう一歩読者に歩み寄って欲しかった。

淡々と告げられる言葉のリズム、特に冒頭、前半が好みです。
ただ、後半になるに連れて徐々に潤いが増して行き、
情動の気を強く感じる様になりました。
それは少しばかり強過ぎ、湿り過ぎにも思え、
こう言っては何ですが、若干の酔いの印象も。
この主題であるならば尚更に、乾きと素面を、
(主観で言えば、更には冗句もちょっと添えて)
つまりは余裕を保ったまま、
物語を描き切って頂きたかったかなと思います。

 歴史的な話しではない。モデルはあるかもしれないが、架空の国の滅亡の物語である。
 タイトルの「首」が、文字どおり女王の首が断頭台にかけられたことを示唆するのか、専制君主国家の体制破綻にともない元首の存在が失われたことを意味するのか、登場人物たる「彼」と「彼女」が自らの行動に、彼ら自身の「首(頭脳)」は何の役割も果たしていなかったことを暗示しているのか、もっと別の何かなのか。
 とりあえず国家を人体に模したとき、首が飛んだところで身体は止まらない。さながらゾンビのごとく汚染を広め続けるのだ。

淡々とした語り口なので、登場人物に感情移入することはないんですけど、そのぶん戦争や暴力についての考察に説得力を感じます。
タイトルの『首が飛んだ』は断頭台を意味するのでしょうか。
『彼』と『彼女』のそれぞれの心の歪さが丁寧に描き出されていて上手いなと思いました。

大きなテーマを扱った意欲作で、その大きさのあまり、私が読みとり損ねている部分が多そうで申し訳ないです。

「彼」と「彼女」が並行して描かれていて、ふたりの道は時折交差するのですが、もっと決定的な部分で交差すべきなんじゃないか、という気がしています。
侵略戦争を推し進めたのは「彼女」ですが、「彼」が思うところはなかったのか。シビリアンコントロールの観点からは思考を開示しないのが正解なのですが、物語的にはもっと開示してほしかったです。
また、内乱発生の原因は戦争長期化による困窮化なので、主に「彼女」(もっと言えば「彼女」を操った人々)の責任ですが、「彼」にも僅かながら間接的に責任があります。その責任の受け止め方にも興味があります。

書こうと思えばもっとたくさんのドラマが書けたはずなのに、書けなかったのか、あえて書かなかったのか。
非常に気になりますが、印象的な作品ではありました。

淡々と語られることで、逆に不安感や暗さが伝わってくるようでした。

 小説のような詩のような、そんな印象でした。物語の細かい部分はよくわかりませんが、全体の雰囲気はよく伝わってきますし、雄弁な文章はすごく魅力的です。
 それでも文句をつけるとするならば、終盤に至っての誤字くらいでしょうか。

先日『創世記』を読んだこともあり、どうにもリズムがダブって読める。
そういう意味においては成功しているし、大そうな話をあえて小刻みに描くという手法が馴染んでいる。
特に冒頭色が濃い。

後半思想性を帯びてくるが、もっと寓話的に柔らかい言葉を選んだほうがより効果的であったように思う。
読ませるよりも謎を突きつける意味で。
漢字を多用しすぎているのが残念。

ぬるま湯にどっぷり浸かって生きてきたおれですよ。
最近じゃ国対国の戦争よりも、テロ対策の方が深刻みたいですね。

壮大なストーリーのあらすじのような感じをうけました。書くテーマが、文字数に比して大きすぎたかな? という印象

 自在に変化する話のスケール、神出鬼没のテーマ、珍しい構成です。主張は把握できませんが。

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