犬と番傘と傘屋樹莉亜 への感想

閲覧数1693
コメント数26

評価平均

発想3.7
構成4.2
表現4.4
総合4.3


とてもいいお話でした!!いい話でありながら、ちゃんと妖町の不思議さも感じられるのは凄いと思います。番傘とハチとおみうちゃんの心温まるお話もさることながら、今まで登場した妖たちや傘屋の様子などが知れたのも妖町ファンとしては嬉しいところでした。
文中の(?)と締めの「おしまい。」が何となく気になりましたが、とても楽しませて頂きました。

小さな命が軽々しく扱われる世の中であってはいけない。
なぜハチは死んだのか。

私もしょっちゅう傘を置き忘れるので、この番傘は借りるのではなく言い値で買いたい。
いやでもお店に戻ってしまうのか。私も雨に打たれて衰弱すればもしくは

よくまとまった、お手本のような作品でした。
この世界の街並みが目に浮かぶようでした。

文章がまとう空気、取捨選択された言葉、リズム、実に心地いい。
特に時代小説流の雰囲気が嬉しい。
そういえば今回は時代物調は唯一ですか。

文句は無いのですが、個人的な好みとしては終盤をもう少し番傘の比重を増やしてもよかったのではと。
最後の段落で番傘の心が出てくるわけですが、あの描き方だと添え物になってしまっているようで。そうなるとテンプレ的な匂いの方が出てしまうので、もったいないという印象です。

妖町の空気が満ちて、とてもすいすいと読めました。子犬の死というテンプレな展開でしたが、最後の番傘の一文にこの話のオリジナリティーを感じました。この最後が引き立つため、前の方でもう少し仕込みがあったらなと思います。また子犬を看るおみうに、何かしら自分の身の上を重ねるところがあっても良かったかも。
ともあれ、素直に楽しめました。

うまいから逆に書くことないっす。

文章や作りがとても綺麗で、上手な物語だなあと思いました。
個人的に、こういう話に弱いので、素直に感動してしまいました。
本来人の心を持っていないはずのものに命と心を吹き込むという試みは個人的にものすごく共感も出来ました。
現状、人は人としか表立ったコミュニケーションは取れないけれど、その他のものにも多分人の言うところの心があると考えるとロマンがあると思います。
そして、人にはその感情や心が正確に読み取れないからこそ、この物語に表現されているように、儚く美しく映るものではないかと。
いい物語をありがとうございました。


これはいい!!
意外なモノが雨に濡れる小動物を助ける……このテンプレ発明した人天才だと思うが使い古されてはいるけど、このアプローチは素晴らしいです。不良が子猫を拾うだって、見せ方一つでここまで新鮮になる!! ステキ!!
シリーズものとして、人ではなく町を、ってのは毎回読み味変わって楽しいです。町の場所とか規模はあんま気にしない方がいいのかな……と思いつつ、都市部ではないけど結構でかい城下町レベルなのかなーとか、閉鎖されている感はないけし隠れ里的でもないけど妖溜まりというとあんま大都市隣接では……いや、むしろそういうところのぶら下がり的な一画なのか?! とか、考えたくなってきました(笑)。
そういうの想像したくなるくらい、この世界感にはまっているのかしら?
うん、面白かったです。やっぱ王道テンプレに則っている話しはシンプルに面白いです。

 コメントのみ書き込みます。
 エンディングに心を締め付けられました。
 以上、読ませていただきありがとうございました。

 いつもながら、妖町は本当にあったんじゃないかと思えるほどにリアリティのある描写で描かれていて、つい引き込まれます。「傘屋の番傘は空を飛ぶ」という導入も潔くて、物語へすっと入っていけました。

 今回は妖町の話の中に、中継ぎとしてあると映える話になっているかなと思いました。妖特有の魅力を前面に押し出した物語というより、人情のある穏やかな話なので、これ一本を取り出してしまうとパンチに欠けるというか、これだけでは物足りないという印象を持ちました。

 物言わぬ八番の傘の優しさが光ります。最後のオチもじんときました。文字数の少なさを感じさせない広がりを持った作品なのに、きっちりと話の筋を完結させてあるのも良かったです。

 まずここまでシリーズが続いてきてハズレがない、というのは改めてすごいところです。シリーズというのは何度か読んでくるとどうしても多少なり飽きてきますから、そのうち評価は辛くなっていくものです。作者のほうでも色をつけたくなる、色気の出しすぎでハイパーインフレになる、うわっ…悟空の戦闘力、高すぎ…? それがむしろこぢんまりとした内容をここでぶちこんできたうえ、評価は落ちていかないで安定している。作者が作品のクオリティの維持ばかり考えるようになるとこうはいきません。
 よくまとまった作品はそれだけでもどこか保守的に見えてしまうけれど、この作品(シリーズ)はそうではないということでしょう。掌編で正統派の勝負ができる数少ない作品だと思います。

悲しくも優しい話しですね。犬を飼い始めたばかりの身としては涙無くして読めなかったです。「とぶ」というお題に空飛ぶ番傘を主軸としたお話が出てくるのも、妖町という変幻自在な世界観としっかりとした構想があればこそなのでしょう。青空に列をなしてくるくると回りながら飛んでいく番傘の光景は、町の名物になっていた、とありますが、そりゃ名物にもなるわ!と妙に納得してしまいました。

ハチー!
悲しいけど、最後ハチは幸せだったと思います。
生まれ変わったら、またおみうの傍に来て欲しいです。

純粋にイイ話。
物語自体に意外性はないですが、ないからこそ安心してハチと番傘のストーリーを楽しむことが出来たように思います。
あやかしと人間の共存関係も描けていて、この文字数でこれだけ物語が進んでも最後まできちんとまとめられるというのもまた作者の手腕のなすところですね。

 可愛らしい話しです。細かいところに顔をだす幽霊や妖怪に愛らしさを覚えました。話し自体は小さな物悲しさもありながら、よくまとまっていたのではないのでしょうか。やや、店員たちの説明が冗長な気がしましたが、蛇の目傘以外はこの短い話の中でも僅かながらでも役割を果たしているので、無駄というわけでもありません。おみう自身の、心情描写もいい塩梅に普通の娘を表現できていますし、白犬と子犬が頭を下げるくだりもしっかり映像として頭の中で鮮やかに再生されました。終わりの表記の『おしまい』なんかも話全体の微笑ましさをより強めています。

 八番……傘のくせにいい奴。
 もともと物であるはずの傘がふつうと違うのは、作ったのがおみうだからだ。ならば、おみうの個性が多少は反映されてるのかもしれない。悲しいけれど、やさしい話だった。

 相変わらず上手いなあ。「青空に列をなしてくるくると回りながら飛んでいく番傘の光景」はその世界にいたら、借金してでも見に行きたい光景。ストーリーもきちんと盛り込まれており、キャラたちも生きている。「女の洗い髪のような柳」なあんて表現がさらりと出てくるあたり、読んでいてぞくぞくっとする。で、一点気になるのは一番知りたかったなぜ番傘はそこにいたのか、ぼろぼろになったのか。犬と番傘の出会いの光景が見てみたかった。きっと傘萌えすると思う。

良い意味で長いと感じさせる作品でした。
字数制限で苦労した私は、ゆったりとしたペースに心地よさを感じながらも、この辺りがオチかなと思いつつ読んでいたのですが、まだ続く、まだ続く、、、
すっきりまとまったエンディングでした。
この長さにこれだけのストーリーを詰め込みながらも、詰まった感じが微塵も感じられない。感服しました。


捻くれ者の読み手としては、
もう一声何か欲しかった、蛇の目他の出番も、
というのが正直な所ですが、
卒の無い仕上がりは流石かなと。

 いい話だなあと思いました。

とても面白かったです。情景と展開が丁寧かつ無駄がなく、すごいと思います。

無機物に人格が宿る系のお話に滅法弱い水市です。
それにしても八番の傘、傘のくせにいいキャラクターになってる……!
台詞がないのに、心優しさが存分に滲み出ています。筆力の凄さを感じました。

それ以外に評する術がないのが心苦しいのですが、「この傘、いいよね!」という感想を述べるのが精一杯です。
たぶん投票します。

番傘と子犬の関係だけに集中してもよかったのかな、と。

ええ話や。
作者は江戸時代に生きて生活していたのでは? と思えるほど細かい描写をちょくちょくと差し挟み、作品の臨場感を盤石のものにしている印象をうけました。
そうやって丁寧に作りこまれた世界観だから、ハチと番傘とおみうの物語がより一層際立っていたのだと思います。

素直にいい話だった。この短い文字数で、世界観の説明をし、読者の涙を誘う。ありきたりな話かもしれないけれど、書けと言われたら自分だとまず書けない。

 よくまとまった小さいけれど骨のあるお話でした。設定はともかく筋はありがちですが読ませます。

twitterに投稿された感想を集めました