魔女になりたい未世子さん木井 鈴成 への感想

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評価平均

発想3.7
構成3.1
表現3.7
総合3.5


情報の提供の順番をより効果的にすれば、面白い話になると思います。雰囲気は味わえましたが、一読した限りでは、上手く情報が整理できませんでした。

神聖な儀式、その呪いがいかほどのものかは分かりませんが、これから徐々に魔女化する頻度が増えていくのでしょうか。
完全に奪われていない辺り、魔女そのものに意思があるというよりは、夢遊病に近い症状ですかね。
そんなことより、未世子さん可愛くて好きです。

二階屋の洋館が狭いようにも広いようにも感じられる。未世子さんの年齢も不確かで若いようにも年老いているようにも見える。
曖昧なものを曖昧なままで貫きながら、細かいリアリティーを織り込んでいた。
人を選ぶだろうけど、個人的には優れたバランス感覚だと思う。例えるなら、傾きながら回る皿回しの皿。
オムニバス形式でいくつか見てみたいと思う反面、これ以上美世子さんの実像をはっきりさせるのもどうかと思う。
子猫のストラップの持ち主に似ている若い刑事の存在が、既に何かあったのか? それともこれから何かあるのか? 未世子さんのまじないの連続性を感じられる。
とてもおもしろかったです。

 未世子さんの俗っぽい魔女っぷりがおかしかったです。通販や消火器を使って普通に生活しているもんなんですね、魔女って。

 ナガトヌネコという言葉がなんとも異様で、大げさに言えば、この言葉の印象が物語の印象の半分くらいを占めてます。何かのパロディなのでしょうか。
 ストーリーは結構じっくり考えないと分かりにくいくらいの構成になっているのですが、一度結末を知ってもう一度読むと、ローカルニュースに「会社員行方不明」と書いてあるなど、ヒントはちゃんとちりばめられているところが上手いなと思わされます。
 それでも、少し複雑すぎたかなという印象です。月牛地所の男を殺した方法が明らかに呪いでしかありえないことが、もう少し分かりやすくてもいいかなと思いました。直感的に答えにたどり着けないので、オカルト話を聞いた時のゾッとする感じが薄くなってしまったかなと感じました。

 現実離れしているようでひとつひとつの表現、道具立てが具体的でリアリズムに徹している。まさか実話とは思わないが同時に作り話じみたところがない。ねえねえ近所にこんな人がいるんですって! と噂に聞いてもおかしくない。信じるかどうかはともかく、空恐ろしくなるような噂ではある。

 来世子さんは「恋の予感かな」などとひとりごちるような茶目っ気もあるし、火事になれば慌てるし恐怖も覚える。でも「魔女」のことを考えるとき、そういった感情はすべてそっくりなくなってしまう。
 おそらく来世子さんはそのとき消えてしまって、魔女になっている。でも来世子さん本人がそれを自覚することはない。彼女は(彼女の意識としては)このままずっと魔女になることはなく、「これまでと同じように」魔女になりたい日々を過ごすのだろうと思えた。この話には先があるが、同時に先がないのだ。

 深淵をのぞき込むような作品。しいて気になったところを言えば、「恋の予感かな」で唯一、来世子さんの声が発せられているという点。ここがたとえば鍵かっこを外したダッシュであれば来世子さんは独り言を言うが、明確に声になっているかどうかはよくわからなくなる。ここでだけ来世子さんが声を発することによってどのような効果があるのか、「作者には」何か狙いがあるのかもしれないが、ぼくにはわからなかった。そして「作者の意図」を考えさせてしまうのは、この作品においては玉に瑕というやつだなと思った。

謎を謎のまま提示する。
ミステリーが隆盛を極めてからというもの謎は解いてナンボ、という傾向が強いですが、芥川の「藪の中」があるように不明瞭な結末の中に読者の感動を託すこともまた趣がある。そもそも始祖たるポーからして何が何でも明確なオチをつけていたわけではない。
どんな状況からでも投げっぱなしにすればいいというのではなく、それを受け入れられるだけのアトモスフィアが作品で形成されていないことにはいけない。個人的な好みとは異なるものの、この作品にはその空気が担保されている。粗さも、それでいいではないかというレベルで。

この作品を受け入れられるかどうかの一つの指標として、謎に対する扱いは大きいだろう。

 一読しただけでは、どことなく茫洋として視点の定まらない印象だったが、二度目三度目と読んでいると、それが良い効果となって来る。はっきりと書かれていないのでこれは推測だが、未世子さんの記憶はところどころ曖昧で、しかもそんな自分に無自覚なのではないか。
 実際のところ未世子さんは何者なんだろう。自宅の敷地内で野菜やハーブを育てながら、魔女になりたいという願望を実践している、ちょっと変わり者だが無害な女性(老婦人?)に過ぎないのか。では畑から掘り出される数々のアイテムは何なのか。
 きっと未世子さんは、ほうきに跨がって夜空を飛ぶことはないだろう。だが彼女が魔女でないとも言い切れない。薄雲が晴れて月光が降りそそぐように、茫洋とした物語の輪郭が明瞭になったとき、その青白い光に照らされた景色の寒々しさが身に染みた。そんな物語だった。

不思議な感触のある物語でした。
終わりと始まりの一文が重なるのも個人的に良かったです。
世界観の作りもミステリアスな感じがあって、雰囲気たっぷりです。
惜しむらくはもっと長いお話で読みたいと思えてしまったこと。
もっと未世子さんのことが知りたいです。

 コメントのみ書き込みます。
 ストーリーは素敵。だからもっと「ウィッチ・レトリック」が欲しかった!
 以上、読ませていただきありがとうございました。

念願叶った未世子さんの心境やいかに、といったところでしょうが、そこに描写されているのは目の前で起きていることにほぼ限定されているので、実際のところはどうなのか輪郭がぼやけていてよくわかりません。未世子さん目線で描かれているので、未世子さんの心象をそのまま読み手に投影させているのでしょうか。詳細をぼやかす、余韻を残すというのは良いと思うのですが、こう何でもかんでもぼかされるとちょっとモヤモヤしちゃいます。素材も雰囲気も良いので、足し算と引き算のバランスを整えれば凄くスッキリすると感じました。

未世子さん可愛いです。
魔女でも魔女じゃなくても未世子さんは可愛いです。
雰囲気がとても良くて、満足度高目です。

未世子さんこわい。すでに魔女じゃないですか。自覚が無いの恐ろしいですね。
魔女に憧れるだけのただの人かと思ったら、放火現場の目撃者? いやいや、殺人犯? と、二転三転する展開が面白かったです。最初は何気ない日常風景が淡々と続き、次第に事件性を帯びてきて、最後に伏線を回収していく構成が上手いなと思いました。
良いミステリーを読ませていただきました。

オカルトっぽくミステリーっぽくサスペンスっぽく。
いかんせん全てを詰め込もうとしてそのどれもに焦点が合わず、結果曖昧とした物語になってしまった印象です。

 不思議な話。序盤のとぼけた殻に包まれていた世界の隙間から、渇いた空気が顔を出した時は、なかなかにざわざわしました。話全体のぼやけ具合も、逆にいい方に働いている気がします。ただ、尺の短さに、やりたいことを詰めこんだせいか、少しばかり、ごちゃごちゃかになってしまっている気がするので、ぼやけ、をなくさない程度にすっきりさせてみてもよかったかもしれません。

惚けた調子の斜向かいに横たわる何か。
繋がりが分かり難い部分もありますが、
雰囲気はとても出ていて、面白かったです。

 冒頭から、ぐいっと引き込まれる。でも、決して力の入った冒頭ではない、なんか世間話を聞いているような不思議な魅力。「ヤマトの国なら山姥だろ」は、架空の投稿者にイイネ! したい気分。
 ただ、鍋で何かを煮ていたはずが、「庭の南表は~」から急に別場面になって面食らった。それまでのリズムがすごく軽快で心地よかったのに、ここの場面転換は残念。
 途中から、話が急展開。ほのぼの系かと思っていたが、見事に騙された。どちらかと言うと電波系ホラー。トリックはともあれ、完全犯罪達成(?)って所かなあ。文字数でしょうがないと思うが、最後バタバタって物語を勧めたのがちょっと、んん~~。狙いは面白いのに……。
 文章が心地よいっていうのはすごい武器。文章とストーリーの、さらなるマリアージュを期待。

 何だか文章の少し後ろの方で、大きな体をした「物語」が我が物顔で寝そべっている、そんなイメージが直感されました。そいつを探し出し、正体を暴くことができればよかったのですが、力及ばず、です。
 読者を置いてけぼりにしているところも多々あるので、もう少し何が起こっているかの説明を丁寧に加えると、良かったのかもしれないです。

日常色が強い展開と、日常と非日常が曖昧に散らばっている感じが不思議な雰囲気を作っていると感じました。その分、逆に不安定な土台の上に話の展開が成り立っているバランスの難しい話だと思いました。

ファンタジーなのかサスペンスなのか、よくわからないまま読み進め、よくわからないまま読み終えてしまいました。
「魔女」なら「魔女」を、「放火事件」なら「放火事件」を集中して描いたほうが良いと思います。現状、どっちつかずになっている印象です。

未世子さんならきっと魔女になれることでしょう。
文章にまとまりがなく少し読みづらかったですけど、雰囲気がある作風で楽しめました。

オカルト好きな自分からすれば、この作品、物凄く好きです!!
魔女になるべく日々を過ごす未世子さんはとても満ち足りているでしょうし、その事実にほんの少し怖くなります。怪しげな噂話や地中から現れるアイテムなど、話の中に漂う怪しい雰囲気に惹きこまれました。面白かったです!!

ぬぬ! なんだかとっても面白い材料が揃ってるけど、料理されきれていない感じ!

もう少し整理するとググッと面白くなる予感があります!

私には宅配員の行動がちょっと理解できず…。端々から感じられる、幻想的な雰囲気は好きです。

 なにも意味がないようなので巧みな表現なのでなにかあるように感じられます。寒々しい魅力のあるお話でした。

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