雨待ちし森、角宿す姫ヤマダ への感想

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評価平均

発想3.8
構成2.9
表現3.5
総合3.4


漫画、蟲師を思わせる、心を現実から解き放ってくれる話でした。これをテーマに、いくらでも話が膨らみそうです。
やや、淡々としすぎている嫌いはありましたが、面白かったです。

アメマチダケが寄生して意思を奪うと、出来るだけ遠くに行かせようとするんですかね。
姫さんはまだ乗っ取られる前に病床に伏しているようで、ということは、しばらくすれば復活して夢遊病の如くどこかへ消えてしまう、と。
潜伏期間はもう少しひっそりと事を進めればいいのに、このキノコ。目立ちたがりか。

相変わらず発想力は素晴らしいなと思います。ただアイディアに終始してしまう欠点が、今回強く出てしまった感があります。ストーリーを練る時間がなかったのでしょうか。前作からの娘は物語自体には不要ですが、もし出すとしたらこの娘に角が生える展開となった方が、登場人物の数もスッキリしたのではないでしょうか。
一方で世界そのものの情報が少なく、また不用意に出てきた魔女がどのような社会的認識なのか、気になりました。

兵隊長、自分で連れてきといてそれはないぜ……。
好きな世界観ですが余韻はあれど、余裕が感じられない。
所々ミスや不思議な点がある。
おしい。

 作品の最後に「見えた。」だか「思えた。」だかがないだけで、なんと尻切れトンボに終わってしまっていることか。もったいないです。最後の投稿作であること、前半は緻密に書かれていることから、時間がなかっただろうということは推測できますが、読者としては残念という気持ちしかないです。

 今回はずいぶん医者らしいことをしましたね、雲医者様。手際がいいのはむしろ魔女じゃなく医者っぽいと思ったのですが、どうなんでしょうか。
 前作でもぼくとつとしたキャラクターではありましたが、今回は素朴を通り越して性格が悪く見えました。憔悴しきった国王に困りごとを教えろと迫る不遜な態度を取るシーンです。旅慣れて、世慣れしているはずなのに、一国の王が話し出すまで待てないはずはありませんが……良くも悪くも儀礼や習慣にとらわれないということなのでしょうか。
 あんまり比べすぎてもよくないですが、文章は、特に前半、前作に比べてとても読みやすく、気を使って書いてあるのかなという印象を持ちました。

 描写が鮮やかで、美しいハイファンタジーの世界を感じられます。もっと長編でこの世界を堪能してみたいという気持ちにかられます。その中で、この文字量の中にエピソードを過不足なく詰め込むのは、相当な努力がされているだろうなと思いました。

 今回仕掛けというか演出がこれまでに比べると抑えめなので、はじめて雲医者シリーズに触れる人にはもしかすると物足りないかもしれないが、演出のレベルに幅を持たせるのはシリーズを続ける上でかなり重要なことだ。これができない人はまずシリーズは書けないと思う。
 内容は相変わらず一本によくまとまってボリュームもじゅうぶんあったが、文章的にミスがかなり多く、明らかに時間がなくて焦っていたという感じ。
 もっともミスそのものについてはことさら指摘するまでもなく、作者自身がとっくに気づいているだろう。ぼくがここで言いたいのはむしろ、これまでになく文章がすっきりしているということだ。時間がじゅうぶんにあったらもっと丁寧に(丁寧すぎるほど)書いていたところもあっただろうから、せっかくだから焦って書いた自分の文体を自分でよく研究してみるといいと思う。するとミスも怪我の功名ということになるかもしれない。

 全体的に未整理な感じがしました。アイデアは相変わらずすてきで、要所要所の描写も生き生きとしているのですが、それを練り込み不足のストーリーに落としこんで、むりやり作品として成立させてしまった感があります。
 出だしとラストシーンがとてもきれいだったし、とくにラストは人対自然の構図の中での雲医者の立ち位置が描かれており、今回はシリーズとしての大きな物語をすすめる転機となりそうな話だったのかな、と思われただけに、いろいろ惜しまずにはいられませんでした。

幻想的な文章で綴っているにも関わらず、しっかりと練られた物語だと思います。
ただこういう世界観でいくならこの物語だけでは、情報量が足りないのを勿体ないと感じました。
多分それを上手く表現できるだけのものもあるだろうと思えたので、余計にそう思いました。
雲医者の設定はかなり面白いと思ったので、そこのところを本当に掘り下げてもっと知りたかった。

イメージは相変わらず良いのですけれど、
短編として見た時、
全体のバランスを欠いている印象を覚えました。
またおはなしの肝の部分は最後のシーン、
あえて見逃す所にあると感じたので、
ここに重きを置いた方が良かったかもしれません。

今までの雲医者シリーズで、一番よみやすかった。一文が短く、迷わない!! これ、すげーいい。
ちなみに話しはイマイチ。
余韻や間がなく、分岐や葛藤、思考なくただ話しが進んで流れてしまっている印象。ご都合主義というより一本調子。
また、雲医者というものについての認識を、筆者自身がどこまで捉えて考えているのか、ちょっと疑問が出てきた。
この世界では雲医者という存在がどんなものなのか。どこまでの人がその職を認知していて、また、どのように認知されているのか。実際の能力と認知されている能力に剥離はないのか。この世界でどのくらい(割合、実際の人数、実際に関わったことのある人の率)いるのかとか気になる。
また、社会情勢とか、世界の広さも気になる。国とはどの程度の規模をいっているのか。雲医者の社会的地位と、一国の規模や支配力があやふやな中で、いきなり国王の前に引き出されて弱っている姫君の処置を任せるということにしっくりこない。
能力としても、天候さえも治療する医者、とあるが、今回の国では自然科学全般に精通しているとみられているのか、天候あんま関係ない……とか、便利屋やなんでも屋とは何が違うか、魔女とはどう違うか、この世界に魔女があるのか、とかとか、ここまでのシリーズ化されるハイファンタジーになってくると気になってかるし、そのくらいはちゃんと設定されていて読者も自然と受け止められるレベルであって欲しいと、読者として思う。特にファンタジーを自然とと受け入れられない読者には必要なのかしら。
是非ともそういう部分が慣れてない読者にも自然と受け入れられるものに仕上げてください。

 コメントのみ書き込みます。
 お連れの「年頃の娘」さんが気になって仕方がありませんでした。
 以上、読ませていただきありがとうございました。

しっかりとした世界観と、取り上げる神秘的な題材の選択眼は群を抜いていると思います。しかしながら今回は、オリジナルの設定を既成のテンプレに当てはめたような紋切り型の作品、という印象を持ってしまいました。自分たちが、どうか助けてくれ、とお願いしておいて「私に任せて下さいませんか」と雲医者が承諾した後の兵士長の「適当な事を言うな!!」というセリフの言わされている感。設定だけではなく構成、描写からもオリジナルの個性を見せて欲しかったです。

キノコ怖いですね。
キノコに限らず、寄生生物の生態に恐れおののいて生きているわたしには刺激が強すぎました。
でも面白いから読んじゃう。でも怖い。あ、でも目が離せない。
面白かったです。

前回の雲医者様のお話で出てきた女の子が、今回のお話では従者になっているのですね。だんだんとキャラクターが増えてくると、ちょっと固有名詞がないと読み辛いかなぁ、と思いました。
それにしても、人の脳に寄生するキノコとは、恐ろしいですね。雲医者様たちはそんな場所に行って大丈夫なんでしょうか? 情景描写が綺麗で引き込まれます。ただ、前半の森の中から城に至るまでの描写に比べて、後半やや急ぎ足になってしまったかな? という印象を受けました。
とはいえ、しっかりとした世界観に基づいて語られる雲医者様の冒険譚は面白いです。次はどんな場所でどんなものに出会うのか楽しみですね。

安定した面白さがありますね。
読み取れていなかったら申し訳ないのですが、冒頭で天気雨を説明したことが物語には無関係のように思えました。
雲医者の出した結論として人以上に自然を守る、というのは彼女の職業柄しかたがないのかもしれませんが、そうなるとこの村では延々とアメマチダケに寄生される人々が発生し続けることになるのではないでしょうか。
また、雲医者という設定が面白いだけに誤字脱字や校閲ミスに注目してしまいます。

 綺麗にまとめたなという感じで、ラストシーンなんかはその中でも極めつけです。シリーズ物にありがちな説明不足も感じさせず、すんなりと作者の作りだした世界に入りこむことができました。限られた尺の中で、雲医者の活躍を見せる、という意味では成功している気がします。欠点があるとすれば、雲医者自身の有能さのせいもあってか、さくさくと話が進んでいくため、やや上手くいきすぎじゃないのか、という気にさせられるところでしょうか。そこら辺はラスト周辺の、アメマチダケについての語りで、バランスを取っている気もしますが。あと、最後の台詞から地の文に切り替わる部分は、個人的には台詞のままにするか、台詞調じゃない地の文にしてしまってもいいように思えました。

導入とラストは以前読ませていた作品のように情景に力を入れられてましたが、物語が転がり始めてからは台詞と筋だけを追っている印象。文字数に苦しめられてしまったように感じられます。
あえて設定されている文字数なので、それを活かした作品の方が個人的には好感が持てます。

あと、読んでいてふと『蟲師』の「柔らかい角」を思い出しました。

 ヤマダさんの物語はいつも、イマジネーションが豊かで、この短さの中でいろいろな幻想的な姿を見せてくれます。今回も、謎解きを含めた美しい物語で、読んでいて心が潤いました。素敵な場面は数々ありますが、特に「逆さにしたキノコを振ると、キノコのてっぺんに空いた穴から虹色に輝く粉末が零れ落ち、薬をぱっと輝かせる」のくだりは、見たこともないキノコ(ちょっと調味料の便を彷彿とさせる)にうっとりとしました。盤石な安定感。「かきあげ!」看板小説の一つですね。

 良かったです。自分がまだ小学生か、中学生だった頃、貪るように読んでいたファンタジー小説を思い出しました。

書きたいところはハッキリしているのに、とても散漫。固有名詞を出さないのは主義ですか? とてもわかり辛いです。主人公と一緒にいる女の子は誰で、なぜいるのでしょう。いなくていいのでは。描写に偏りがありすぎるのも、気になります。キノコが重要なのはわかりますが、人工物への愛がなさすぎて可哀相なくらい貧相です。立派とか豪奢とか威厳とか清楚とか気品とか、並べれば並べるだけ貧相にみえます。

派手さはないですが、舞台装置や無理のない展開、良くできてていると思いました。特に話の入り方が上手いと思います。本作は控えめな印象を受けましたが、今後も雲医者様の活躍に期待します。

常々「ヤマダさんの地の文は苦手」と言い続けていたのですが、今回は違和感が少なかったです。私の目が慣れたのか、ヤマダさんのほうで工夫されたのかはわかりませんが。
世界観は面白いです。キノコの設定にはファンタジー感があって、良いと思います。
反面、世界観や設定の面白さを見せるだけになっていて、キャラクターの動きに見るべきところがほとんどなかった気がします。
風景描写に字数が割かれすぎているのが一因かと思いますが、それが美点でもあるので、難しいところです。

毎回これだけのボリュームを、よくかきあげサイズに落とし込めるなと感心してしまいます。
ただ雲医者が無敵すぎて面白味にかける感じもするんですよね。

安定の雲医者でした! なんだか、文章の構成に余裕が無いように感じたよですが、文字数に苦しめられたかな??

描写が好きです。

 冒頭伏線であることはすぐわかりましたが、そこを回収して終わらないところにおもしろさが詰まっています。最後の文章に少しミスが残ってしまったようですが。

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