晦日に月がでる和七 への感想

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評価平均

発想3.4
構成3.9
表現4.3
総合4.2


全体に艶めかしい。という印象。
人間の魅力というものは、見た目はもとより
品性・知性というところにも現れるのだろうなぁ。と、思った。

同時に、理論立てて正論を通す抜け目なく隙のない女性より
少し抜けたところのある女性の方が統計的には男女の仲はうまくいく
というWeb上で見かけた記事のことを思い出した。
もしかしたら世の賢い女性達は、少し隙や抜けたところのある様子を
相手にさとられないように演出しているのかもしれない。
そう考えると女性って怖いなぁ。なんて思ってしまうが
翻って男の方で昼行燈と言われれば
それはそれでカッコいいと思ってしまうので
一方には滅法強いが、一方ではからっきしという
落差自体に人間的な魅力の秘密があるのかもしれない。
(それはもしかしたら僕にもこの人の役に立てる部分や
 優位に立てる部分があるかもしれないと思えるかどうかが
 人間関係の円滑さを成り立たせているせいかもしれない)

糸吉花魁にしてみたところで
賽子のくだりなどで見せる賢さに反して
善市に対する隙だらけな態度は素なのか演技なのか。
素だと良いなぁ。というのが男の浪漫であり、性かなぁ。
なんて思った。

残り物で手際よくお茶漬けを仕立てる様が気持ち良い。

調べなくともなんとか文脈は追えるが、難しい単語が多い印象で読み辛い。

日陰の妓の意地で、ありえないツキがでたというところが小粋に感じました。善市の意地も長命寺餅の桜を呼んで、川縁の夜桜な風情が漂っていました。

完成度が高くて驚きました。
もし字数制限などがなければ、どのように発展するのか気になりました。

心地いですね。描写から省かれている所が特に。

 きっちりオチもついていて、廓話として、落語にでもありそうな。いや、でも落語よりも空気感や色彩がよりはっきりと見えるから、やっぱり小説なのですね。四分の一くらいは不勉強にして分からない言葉でしたが、いったいそこになんの支障がありましたか。いや、なかったです。

 これだけ書かれていながら、糸吉花魁の本音が分からないように仕上げてあるのが面白かったです。一読すれば賭けの結果が本音の如く見えるのですが、じゃあそのあとの善市への言葉はいったいなんなのか。善市視点で見てきたからか、花魁の言葉を都合よく、「少しでも善市と一緒にいたいから」と解釈したくなりました。でもそしたら神保町の若旦那と一緒になる意味が難しい。といったところで、最後まで糸吉に翻弄されました。同時に、こういう風に、絶対にわからない本音を想像し続けるが廓の楽しみ方だったのかなと、江戸の世界に思いをはせてみたりするのも楽しかったです。

 短い文字数の中にあるいくつかのエピソード一つ一つが一本の筋をしっかりと支えていて、読んでいて気持ちが良かったです。作中に使われているいくつかの言葉に関しては、こちらの不勉強でやや読みにくくはあったものの、話によく合っていました。とても綺麗で洒落た話で、なによりもお腹が空きました。

 フーン……『出鱈目の作法』では糸吉はすでに「脚を洗っている」とあったので、直前の噺というわけではないらしい。また身請けに乗り気でなかったはずの糸吉が仇討ちをしているところから、『出鱈目~』との間には色々とあったはずだ。ということは、これはまだまだ先には進まないぞ!
 いや、あるいは『出鱈目』の先をまず書いて、その後にまた戻ってくる算段かもしれない。こうしたジグザグな進め方は、おそらくは『親子探偵』へのリスペクトである。
 かどうかはともかく、このシリーズはシリーズであっても一本ごとにしっかり完結しているから、どのような順番で公開しても成り立つだろう。成り立つがしかし、その順序はシリーズ全体に関わってくるはずで、今後どのように展開していくのか愈たのしみになってくる。どうつなげてくるのか読めないが、なんらかのつながりがすでに想定されていることは明らかで、安心して期待していられる。

 ちなみにオチは一読してさっぱりわからず、大川ってどんな文脈で語られてたっけ? ともう一度読み返してみてやっと気づいた。

わがままを言って善市をこまらせる、かまってちゃんな女郎の可愛らしい。そこに、ちょいちょい挟まれるダジャレが、桜葉の塩味のように効いてる。

中学生のころ何故かはまってしまって、遠山の金さんとか、鬼平とか、御宿かわせみとか、そういうたぐいの本を図書館で借り、むさぼるように読んでいました。
そのわくわくというか、違う世界のような言葉のしっとり感が、とても素敵でした。
粋なお話し。
こういうのも大好きなので、とても面白かったです。単行本でよみたいなあ。


魅力的な文章もさることながら小道具の使い方が上手で話に引き込まれました。生き方の感覚に説得力というか妙なリアリティと色気がありかっこいいと思いました。

 恥ずかしながら、読みの分からない漢字がこれでもかと波状攻撃を仕掛けてきたので少々気が削がれました。けれども江戸情緒たっぷりで、花魁と善市の掛け合いが情け深くてとても良かったです。

この短さでうまくまとめるなあと感心します。耳馴染みのない言葉が多く出てきますが、判らないなりにも話が通るように書かれているし、語句を知ればまた趣が増す。中世文学を紐解いているような楽しみがありました。「巫山の夢」って初めて知りました。最後の糸吉花魁の機転もイカしてます。

小林秀雄という批評家が、歴史小説の一ジャンルを「髷物」と呼んでいたことを思い出してしまい、その時の言い方が面白かったものだから、それからはあまり真面目に読めませんでした。台詞が明らかに演劇口調なので、その辺も関係しているのかもしれません。どうしても傍観者目線、目の前で起きていることとして処理してしまう。そうではなく、そういう立場すら危うくなってしまうような、一口に言ってしまえば「主客合一」してしまうようなものをこそ読みたいと思っています。

月並みで申し訳ないが、格好よくて痺れた。
口調の変化に「くぅー」ってリアルに声が出ました。
置き屋の世界ってなんか別世界のファンタジーな印象で、私普段ならまず手に取らないものですが、有意義な時間でした。
面白かった。


前回に続き、これも「出鱈目の作法」の前日譚ですね。結局、善市さんとは結ばれないのか、それとも復讐を果たした花魁のその後の話に彼の出る幕があるのか、気になるところです。花魁が贔屓にするくらいだから、善市さんはたぶんイケメンとみた!
毎回サイコロのうんちくがあって面白いです。今回はお茶漬けに桜餅と、美味しそうなものも出てきてお腹が空きました。
後日談も読みたいです。

実に丁寧に書かれていて、雰囲気がよく出ていたと思います。構成もよいっすね。けっこう好きです。

花魁の生き様が格好良く描かれた作品だと思います。
一見いい噺と思えるものも、本人にとっては大きなお世話。人様の都合であっちへこっちへなんて確かに嫌だなあとも。
自分の人生を博打で決めるのも、オットコマエ!
勝って良かった!

やや、毎度上手い。オチもよい。

中国歴史ものはかなり読んでるけど、日本の歴史ものをあんまり読んでないせいか、お恥ずかしながら漢字が半分くらいしか読めないでござる……っ!!

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