蛙田鯉ムラサキハルカ への感想

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評価平均

発想3.6
構成3.9
表現3.9
総合3.7


アマガエルはやられるばかりで
たまったもんじゃないな。と思った。
眼に涙を溜めたアマガエル(たち)の顔が見えるようで同情してしまう。
多分実物を見たら気持ち悪く思うだけだろうが。

「鯉は口をぱくぱくと動かす。~(略)~
 ああおいしいな、とでも語っているように見えた。」
の流れがそらとぼけた感じの鯉の表情を印象付けて面白い。
みくのイラッとする心情に共感できるので効果もばつぐんだ。

文体のたどたどしさが全体にみくの幼さを補強するような
良い雰囲気を出しているようにも思えるが
正直ぼんやりした頭ではちょっと読み辛い。
坊主坊主と連呼されるので
作業着がいつの間にか袈裟にすげ変わっていたりする。
みくのさとし方も坊主っぽいし。

なんにせよ、トノサマカエルくんへの愛着故に
同じような姿のアマガエルくんを犠牲にすることに
何の躊躇もないみくの無邪気さが、なんていうか。悲しい。

たそかれの、なんだか少しこわくて不思議な雰囲気がじんわりしました。
子どものころを思い出してみたり。ノスタルジックというのでしょうね。
一等賞、おめでとうございます。沢山うなづきました。

坊主いいキャラしてんなあ、かっこいいなあ、と思いました。今大会の登場人物の中で一番好きかもしれない。

編集部内の連絡で、この作品に「△」をつけてしまったと思うのですが、「○」にすべきでした。会合中にその旨申し出ます。

これはまた……。随分と読み手を選びましたねという印象。
どこまで計算して構成したのか、これは鍵を読者に渡さないと難しいんじゃないかと思った。
少なくとも自分は初読では気付けなかったし、今も自信がない。
感想を書く権利も果たしてあるかどうか。
自分がどこまで読み解けたか分からないけど、作者から狙いを語るのは無粋だし、読み方云々はそれぞれでいいのかもとは思いました。
個人的にはこういう読み合いは大変面白かったです。
だから、惜しいなあと思う。

感想は直接会った時に。

食う食われるの食物連鎖の世界を、くるくると変わる視点で描かれているのが面白かったです。それにしても、坊主にせよみくにせよ愛するペットの餌としか見られていない、アマガエルの切なさよ。

 ああ、タイトルはアタリと読めますね。今気づきました。それだけからこの物語を作り上げたのなら、これは三題話ということになりますね。

 「お嬢ちゃん」をことごとく「お譲ちゃん」にしているPC変換許すまじ。見た目が似ているだけに見落としやすそうですね……自分も気をつけます。あるいはもし、カエルを譲る譲らない、復讐を譲る譲らないに掛けてわざと「お譲ちゃん」にしているとしたら、あまり効果的ではないなと思ってしまいます。
 子どもならではの無邪気さのお話。一段落で語られているのが、無邪気さに潜むそら恐ろしさをより増幅しているようにも思いました。坊主も坊主らしく優しいお説教をするし、キャラクターが生き生きとしていて、読みながら飽きませんでした。

描写が丁寧で好感を持ちました。
子どものなかに流れているゆったりとした時間も上手に表現されてるなぁと思いました。

おおー。
らっきーのほうとは全然違う雰囲気で。こちらの方が好みです。ギッチリ詰めて書いた作品を本以外で読むのは頭に入って来なくて苦手なのですが。この作品はあまり読みにくさを感じず、やりとりの始終を客観的に見ている側の目線を演出させているように思う。
オチがねえ、もう、ひゃああーですよ。
とりあえず、らっきーも蛙田鯉も両方声が出たなあ。

幼いみくと作務衣を着た坊主とのやりとりがほのぼのしていて微笑ましく、オチもなるほどそう来たかと程よい驚きがあったのはよかった。でもそれ以上に、改行もカギカッコもないギチギチの文章が、ほのぼのとしたこの内容に合っているとは思えず、窮屈に感じてしまったのが残念です。

場面の雰囲気、この水墨画のようなどぎつい世界、濁り切った空模様や、人間の夢中でいる様子、これらには見覚えがあるなと思い出していたら、漱石の「永日小品」中の「蛇」でした。あちらはもう少し乱雑な文章の切り口で、こちらはよほど滑らかな筆遣いですが、語っている位置は似ている。カエルや鯉、坊主と相対する場面は何だかロールプレイングゲームのようで、徐々に盛り上がっていく感じがあります。ですが終盤は話の纏まりということで、勢いが弛緩されてしまっているような印象も受けます。いずれにせよ、文章が小説を奔流のままにぐいぐい牽引していく快適さは個人的に好みです。一度試みて後はポイ、といったものではなく、読者或いは作者自身に対し再読を要求するような謎めいた力強さが具わっているようです。

かなり文字が詰まっているのですが、読みづらくなくむしろ演出として効果的であったと思います。ちなみにお譲ちゃんというのは中性的な意味合いなのでしょうか。

 少女がアマカエルを必要としている理由がオチなのだろうか?という疑問で読み終えました。
 全体的には長閑で純朴なお伽話で、僕的にはワクワクしました。

結局アマガエルはエサだったのですね。食うか食われるかという立場が二転三転するあたり、面白いなぁと思いました。
みくが何歳くらいの設定なのかわかりにくいところがありますが、全体的にほのぼのとした雰囲気で良かったです。

 これは好き。
 子供の一生懸命さとか、注目するもののおもしろさとか、あと母親との関係とかが、ひっかかりなく読めるようにうまく織り込まれてます。またびっちり書いてあるわりにくどさを感じませんでした。
 実は個人的に田んぼの端でカエルではなくオタマジャクシが集まるのをじっと待ったことがあります。みくのように捕まえようという確固たる意思はなかったのですが、さわってみたい手に取ってみたいという欲求があって、だから服を汚して母親に叱られないようにと、ここはみくと同じことを考えたりしました。あのジリジリした感じ、がまんして待つというのは子供にとって何か高尚なことをしているような満足感があって、だから鯉の出現は読んでる私もすごいショックでした。
 またオチについてもまったくの予想外で二重にショックでした。そしてショックを受ける自分に、子供時代は遠くなったんだなあ、と妙にさびしくなりました。

残りの文量をみながらオチを予測しちゃう癖があるんです。
ああ、なんか仏教説話みたいな話ですよくまとまってるな、もう終わりだしこのままゴールかぁーって読んでたら、見事なオチが口を開けてまっていて、ペロリと、飲み込まれてしまいました。

かきあげ! 書くとき、僕はタイトルとなんとなくの構成を考えて、あとは分量を調整しながら書くのでこういう一行でストンと落とすって芸ができないんです。素直にすげーとおもいました。

みくの心情や描写が分かりやすくしっかり書けてるのがすごい。最後の展開もいい感じ。
それだけに、改行なし規定びっちしにはめ込む書き方が惜しい。
改行や会話のかぎカッコって、読む人への配慮だと思うので、それが無いと、無視されたような悲しさを覚える。ま、ワタシだけかもしれないけど。

 志賀直哉的な風刺というか、『城の崎にて』みたいな感じ。あと『山椒魚』。
 オチはなかばあたりで読めちゃったんだけど、それが読む気を失せさせたかというと、むしろいつくるかいつくるかという期待をもって読み進めてしまった。ひっぱり方がうまい。くどくない。
 これまで読ませてもらったムラサキさんの作品とはちがって、すっきりまとまりすぎかなーとゼータクに思ったりもしたんだけど、それでもやはりおもしろかった。

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