「かきあげ!」評

花屋まと。

「かきあげ!」選〜あらすじ
目的)投票結果の上位三作品は周知だが、別算出をした場合の上位作を紹介したい。また、全作品最良作品を紹介したい。
手法)「かきあげ!」の投票算出法の説明、上位三作品の紹介、別の算出法での上位作品の紹介、最良作品の紹介
結果)全作品優秀選出作品は、第一回「いろ」の「空に傘、風に雲」、第四回「とぶ」の「裏。」。この二作は突出した作品であった。

 今回の『「かきあげ!」評』では、投票結果ではなく、各作品へのコメントで任意に付けることのできる「発想」「構成」「表現」「総合」への評価を基に、評価の高い作品を紹介しようと言うものです。
 なぜこのようなことをするかというと、「評価が高くても投票で選ばれなかった作品」に脚光を浴びせたかったからです。「好きな作品」と「よくできた作品」はやはり違うと感じているからです。
 感想を見ると上部に各評価への平均点が見れます。単純にそれで比較できるものかを考えてみることにしました。

 統計や品質管理などの専門家ではないのですが、それでもなるべく客観的に比較できる数値化ができるものか否か。簡易的に判定することにしました。13089の評価がありました。1、2、3、4、5点の5段階評価ですので、各点数の出現率をみました。
1:551(4%)
2:2120(16%)
3:5147(39%)
4:3819(29%)
5:1452(11%)
 平均などの統計的なものを使用して評価してもいいのかわかりません。統計学も品質管理もきちんと学んだことがないためです。ですが個人的には、正規分布しているかが問題と思っております。これが正規分布かといわれると疑問はありますが、絶対評価の数値の割には正規分布に則ったものに感じます。
 あくまで全体のもので、各項目で差があるかも問題になります。要は国語の平均点は82点だけど、数学の平均点は45点では、国語の60点と数学の60点ではそのカチが違うよ、というアレです。
発想:全平均 3.3
構成:全平均 3.1
表現:全平均 3.4
総合:全平均 3.3
 ちなみに、全体の算術平均は3.27です。
 ここから、各評価平均点4.0以上の作品は高評価と見なして良さそうです。というわけでその該当作品数だけ上げてみます。
発想4.0以上作品:8
構成4.0以上作品:5
表現4.0以上作品:17
総合4.0以上作品:7
 平均点からある程度想像ができましたが「評価4.0以上」の作品数に差があります。評価項目での差がここまであるということは、ひょっとすると各イベント(テーマ)でも点数のばらつきがあることが容易に想像ができます。
 そこで編み出された、偏差値は偉大だと思われます。この「項目ごとでの差」や「回ごとの差」を比較できる数値にしたもの、それがまさに偏差値と言うわけです。偏差値換算と言うことで、イベントごとではなく、全作品での統一比較ができるわけです。
 偏差値を使用するに当たって、先の「正規分布に則っているのか」というのが重要というよりも前提となります。そして、正規分布に則っている場合に一般的に世に知られている「偏差値70」と言われる値の出現率は、2.275%となります。第一回から第七回までの総作品数は194です。評価が正規分布に則っていてさえいれば、上位4ー5作品に絞れることがわかります。
 では、実際に鈍なものか。
発想偏差値「70」以上なのが以下の5作品です。
 第二回「謎」より「日替わり女房」
 第一回「いろ」より「『白の王国』に旅立つ前に」
 第四回「とぶ」より「裏。」
 第五回「ふんわり」より「『ふんわりもこもこヒツジ剣』レビュー」
 第三回「ツボ」より「インスタント神様」
続いて、構成偏差値上位。70以上は3作品です。
 第四回「とぶ」より「犬と番傘と傘屋」
 第四回「とぶ」より「裏。」
 第三回「ツボ」より「獺の壷」
表現での70以上は4作。
 第六回「あたり」より「晦日に月がでる」
 第四回「とぶ」より「犬と番傘と傘屋」
 第三回「ツボ」より「出鱈目の作法」
 第一回「いろ」より「獣目(前)」
総合では3作品が70超え。
 第四回「とぶ」より「裏。」
 第六回「あたり」より「晦日に月がでる」
 第四回「とぶ」より「犬と番傘と傘屋」

 三項目で70以上の偏差値を叩き出している「裏。」と「犬と番傘と傘屋」は突出した高評価の作品といえるようです。どちらも第四回「とぶ」からの選出ですので、「とぶ」の評価点はかなりばらついていたともいえるかもしれません。
 全体的に高評価の作品は先述の「選」でも上位にでした。「評」では、「選」では抽出されなかった作品を主にみていこうと思います。
 発想は「『白の王国』に旅立つ前に」「『ふんわりもこもこヒツジ剣』レビュー」、この二作は、「選」では話題に上らなかった作品です。ここで上げた作品以外でも、第五回「ふんわり」「すこしふんわりした世界」や第四回「とぶ」「白翼の女王様」、第三回「ツボ」「インスタント神様」などが発想高評価でした。発想は割と「選」外でも高い評価がありました。
 逆に構成は、「選」外で評価が高かった作品は偏差値70以上ではなく、次点の偏差値69第六回「あたり」「能書き先輩と小生意気な私 2」になります。この作品は評価を得にくいとみなせる構成のみで、突出した評価を得ていました。
 表現も発想に近く、「選」外でも高い評価が高いモノがありました。また、「選」外中の「選外」ともいえるような感じでした。「獣目(前)」も、次点偏差値69第七回「機械式」「ハーモニー」が評価高かったです。第二回「謎」「ひとつもはっきりしないということの許されざる優しさと柔らかさ」も表現では高評価でした。
 総合に関して言えば、ほぼ「選」外は無く、公式三位に入らないもので高評価になると、四位が入り込んでくるほど、「総合だけが評価の高い作品」というのはなさそうです。さすが総合です
 結果、「裏。」これは「選」でも「評」でも突出した、キングオブ「かきあげ!」作品のようです。全体的高評価作品として「裏。」に並んだのが「犬と番傘と傘屋」。まずはこの二作を読もう! というところでしょうか。
 今流行のAIではなく、あくまでもみなさんの評価の統計的算出であります。とはいえ、公開されている数値データであってもなかなかそれを解析する人は少ないと思われました。あくまで上位作品のみを紹介しましたが、当然下位の作品というモノもあります。しかしながら、私個人では高評価なのに、下位に甘んじている作品などもあり、やはりなんだかんだいって評価を無視して自分の目できちんと読む必要があるな、と思った次第でございます。

感想を投稿する
ログインする※ログインしなくてもコメントできます!
コメントするときにログインしていると、マイページから自分が付けたコメントの一覧を閲覧することができます。

名前は省略可。省略した場合は「匿名希望」になります。

感想の投稿には利用規約への同意が必要です。